【6月27日 AFP】(記事更新)サッカーコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)は26日、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で準決勝が行われ、ブラジルが2-1でウルグアイに辛勝し、決勝に進出した。

 異様な雰囲気に包まれた準決勝で、W杯5度の優勝を誇るブラジルはパウリーニョ(Jose Paulo Bezerra Maciel Junior 'Paulinho')がヘディングで決勝点を奪い、スペイン対イタリアの勝者と対戦する決勝へと駒を進めた。

 試合序盤にディエゴ・フォルラン(Diego Forlan)がPKを失敗したウルグアイに対し、前回のコンフェデレーションズカップも制しているブラジルは、前半41分にフレッジ(Fred)が先制点を挙げ、神経質になっていたホームのファンをなだめた。

 迎えた後半、ウルグアイは試合再開から3分後にエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)の得点で1-1の同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。

 しかし、ブラジルは終盤にパウリーニョがヘディングでウルグアイのGKフェルナンド・ムスレラ(Fernando Muslera)の牙城を破り、苦しみながらも決勝点を挙げた。

■開催国ブラジル、因縁の相手ウルグアイに苦戦

 1950年のW杯でウルグアイが開催国ブラジルの初優勝を阻んで以降、両国の試合はいつも緊張感が張りつめる傾向にあるが、試合前にウルグアイのディエゴ・ルガーノ(Diego Lugano)がブラジルの新星ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を「ダイバー」と評したことで、緊張感はさらに高まっていた。

 ブラジルサッカー連盟(Brazilian Football ConfederationCBF)はルガーノの発言に抗議を行っていたが、両チームの選手間で高まった気持ちは当然静まるはずもなく、ピッチ上ではタックルの応酬やわずかなスペースのつぶし合いが見られた。

 序盤から動きが鈍かったブラジルは、前半16分にペナルティーエリア内でダビド・ルイス(David Luiz)がルガーノに対するファウルでPKを献上し、ウルグアイに先制を許すかのように思われた。

 ウルグアイはこのPKのキッカーを同国代表歴代最多得点記録更新を目指すフォルランが務めたが、低いシュートはコースが甘く、ブラジルのGKジュリオ・セザール(Julio Cesar)が左に跳んでポストの外へはじき出すと、ミネイラン(The Mineiro)に集まった6万人の観客は歓声を上げた。

 ルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督から国民を誇らしくさせようと檄を飛ばされていたブラジル代表は、前半終了間際に眠りからようやく目を覚まし、枠を外れたオスカル(Oscar dos Santos Emboaba Junior)のシュートに続く2度目のチャンスで先制点を奪った。

 左サイドでロングパスに抜け出したネイマールが足を伸ばしてボールを折り返すと、ゴールエリアに走り込んだフレッジが当たり損ねながらもゴールへ押し込むシュートを決め、観衆を熱狂させた。

 2013-14シーズンからスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に加入するネイマールは、前半に何度もピッチに倒れ、ファウルをしたカヴァーニにはイエローカードも提示されていたが、自身が要注意人物であることを示した。

 しかし、9得点を記録して3連勝したグループリーグから一転し、先制後も波に乗れなかったブラジルは、後半3分にカヴァーニに左足での鋭いシュートを決められ、試合を振り出しに戻された。

 ブラジルのルイス、チアゴ・シウバ(Thiago Silva)、ルイス・グスタヴォ(Luiz Gustavo)が立て続けにクリアに失敗するひどいミスを犯すと、ウルグアイはカヴァーニが低く強いシュートを突き刺し、本拠地の観客を凍りつかせた。

 さらにウルグアイは、フォルランが前半のPK失敗を埋め合わせる好機を迎えたが、シュートはGKセザールの正面だった。

 形勢がさらに悪化する様子を見かねたスコラーリ監督は、フッキ(Hulk)に代えて地元の人気選手ベルナルジ(Bernard Anicio Caldeira Duarte)、さらにオスカルに代えてエルナネス(Anderson Hernanes)を投入し、チームの活性化を図った。

 しかし、その後にネジを締め直したのはウルグアイだった。後半28分にフォルランのクロスからルイス・スアレス(Luis Suarez)がヘディングでゴールを脅かすと、さらにカヴァーニがエルナネスをかわして惜しいシュートを放ち、ウルグアイの攻撃陣は、不安定なブラジルの4バックをほぼ攻略しかけていた。

 しかしブラジルは後半41分、左コーナーキックからネイマールが入れたボールに、パウリーニョがマルティン・カセレス(Martin Caceres)の背後から跳び上がって合わせ、決勝進出を決定づける得点を奪った。(c)AFP/Chris Wright