【6月24日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は23日、コンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)が開催されているブラジル国内で社会不安が拡大する中、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が同国にて準決勝と決勝を見届けることを明らかにした。

 ブラッター会長は、首都ブラジリア(Brasilia)で行われた開幕戦のブラジル対日本戦を同国のジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領と並んで観戦したが、その際に観客から大音量のブーイングを浴びせられている。

 その後はU-20W杯トルコ大会(FIFA U-20 World Cup Turkey 2013)のためトルコに渡ったが、FIFAの広報担当は、ブラッター会長が「準決勝までにはこちらにやってくる。大会の初めと終わりにいることは通常通りのこと」とコメントしている。

 今大会は、引き続きブラジルが開催国を務める来年のサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の予行演習と位置付けられているが、開幕前から国内では公共交通料金の値上げに対する抗議活動がサンパウロ(Sao Paulo)やリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)を中心に勃発していた。

 大会開幕とともに抗議活動はブラジル全土に広がり、いつしかFIFAにも批判の目が向けられるようになってきた。大会開催に莫大な公金が使われていることによって、本来必要とされるインフラ整備に予算が回っていないという国民感情を引き起こしたためである。

 ブラジルを離れているブラッター会長だが、同国にとどまっているFIFAのジェローム・バルク(Jerome Valcke)事務局長と「頻繁に連絡を取り合っている」という。

 100万人以上が参加して大規模な抗議デモが発生した翌日の21日、バルク事務局長は、それでも来年のW杯は開催されるとコメントしている。

「ブラジルでは今、コンフェデレーションズカップが開催されていて、W杯もまたブラジルで開催されなくてはならない。代替案など存在しない」と断言した。(c)AFP