必勝のフランス戦に臨む王者スペイン
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【3月26日 AFP】2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)の欧州予選で足踏みが続く王者スペインは、26日のフランス戦で勝ち点を逃せば大会連覇の道が絶たれてしまう瀬戸際に立たされる恐れがある。
ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督率いるスペイン代表はサッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)以降、公式戦で無敗を続けているが、ホームで迎えた直近のW杯欧州予選では2試合連続で引き分けに持ち込まれた。
マドリード(Madrid)で行われた10月のフランス戦、ヒホン(Gijon)で行われた22日のフィンランド戦でそれぞれ1-1のドローに終わっており、グループIの順位では首位フランスと勝ち点差2の2位に甘んじている。
「悲惨な結果だ」とダビド・ビジャ(David Villa)はフィンランド戦を振り返った。試合は、セルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)のゴールでスペインが先制し、ボール支配率で相手を圧倒していたにもかかわらず追加点を奪うことができず、終盤にはグループ最下位のフィンランドに同点を許してしまった。
敵地スタッド・ド・フランス(Stade de France)でディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督率いるフランス代表に敗れれば、予選3試合を残してフランスのリードは勝ち点5差に広がり、スペインがグループ首位で自動的に出場権を獲得することが難しくなる。
■スペイン代表ネグレド「両国にとって決勝戦」
スペイン代表のアルバロ・ネグレド(Alvaro Negredo)はスペインのメディアに対し、「この試合は両チームにとっての決勝戦だ。俺たちは世界中のどのスタジアムでも勝てる力を持っている」と言い切った。
ネグレドはフィンランド戦にフォワードの1人として出場したが、スペインはフィンランドの組織立った守備陣を突破することができなかった。
しかし、ホームのフランスは地元のサポーターの後押しも受けてこれまで以上に攻撃的なサッカーで臨んでくると予想される。ネグレドはそこにスペインの勝機が生まれると信じている。
「ほかの予選の試合とは違った展開になるだろう。オープンな戦いとなり、相手がチャンスを作り出そうとすれば、そこにスペースが生まれる」
「(まともに)サッカーをして勝負に挑んでくる一流のチームを相手にするという状況を生かしたい」
■フランス代表デシャン監督「選手にただ守れとは言わない」
フランスは敵地マドリードでも成熟した戦いで、前回のW杯王者で昨年の欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)覇者のスペインと引き分けに持ち込み、22日のグルジア戦は3-1で快勝した。
オリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)、マチュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena)、フランク・リベリ(Franck Ribery)の得点でグルジアを一蹴したレ・ブルー(Les Bleus、フランス代表の愛称)は、同日にスペインが犯した予期せぬ失態に乗じて最大限のアドバンテージを取っている。
グルジア戦後にデシャン監督は、「我々にとっては完璧な夜になった」とコメントした。
11人でひたすらボールを追うことこそが、スペインから勝機を見出す最も有効な作戦かもしれない。とはいえ、デシャン監督はスペインに対しても攻撃の姿勢を崩さないと示唆した。 現役時代は代表の主将として1998年のW杯優勝に貢献したデシャン監督は、「私の考え方は変わらない。なぜならスペインも変えるつもりがないからだ」とコメントした。
「スペインは圧倒的にボールを支配して勝利を掴もうとするだろう。私はチームにただ守れと言うつもりはない。守備を強いられることになるだろうが、勝てれば何よりだし、引き分けでも我々にとってはいい結果と言える」 「私たちの目的はW杯の予選を突破することであって、そのための1番の近道はグループ1位で通過することだ」
一連の発言を終えたデシャン監督はさらに不気味な口調で「それでも26日に対戦する相手は世界最高のチームだ」と付け加えた。
■両国の先発陣の顔ぶれは?
デシャン監督はグルジア戦では中盤の選手を1人増やして4-4-2のフォーメーションを採用したが、スペイン戦では戦術を変えてくるとみられる。フランスはホームで戦った予選の直近34試合でわずか2敗しかしておらず、その強さを今度の対戦でも存分に生かそうとしてる。
イングランド・プレミアリーグのニューカッスル(Newcastle United)に所属するヨハン・カバイェ(Yohan Cabaye)はこの試合で先発への復帰を目指しており、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属する経験豊富なパトリス・エヴラ(Patrice Evra)がガエル・クリシー(Gael Clichy)に代わって左サイドバックに入るとみられている。
前線にはグルジア戦で再び看板倒れとなったスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)の起用が予想される。ベンゼマは代表戦ここ23試合でわずか3得点にとどまっている。
一方、スペインは出場停止処分となったダビド・シルバ(David Silva)と負傷した左サイドバックのジョルディ・アルバ(Jordi Alba)を欠いている。アルバの穴は、アーセナル(Arsenal)に所属するナチョ・モンレアル(Nacho Monreal Eraso)が埋めることになる。
そんな中、デル・ボスケ監督は中盤に実力者のシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)とシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)を復帰させようとしている。(c)AFP/Andy Scott