【1月22日 AFP】欧州サッカー連盟(Union of European Football AssociationsUEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は21日、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)に所属するケヴィン・プリンス・ボアテング(Kevin Prince Boateng)が人種差別的な暴言に抗議してピッチを後にした件について、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長と異なる見解を示した。

 ブラッター会長は独断で物事を解決すべきではないという考えでボアテングの行動に否定的な立場をとっていたが、人種差別的なチャントが起きた場合は、応援されているチームに対して減点や降格などの処分を科す形でサポーターの責任を問う必要があるとも明言している。

 対照的にプラティニ会長は、ボアテングの行動を全面的に支持しているとフランスのRTLラジオに語った。ドイツ生まれのガーナ人であるボアテングは、4日に行われたイタリア4部に所属するプロ・パトリア(Pro Patria)との親善試合で、同クラブのサポーターから人種差別的な言葉を浴びせられたとして試合を放棄し、チームメイトらもその後に続いた。

「見事な行動であり、私は心から称賛したいと思う。実際、あの後ミランに直接連絡を入れて選手たちを褒めた」と元フランス代表のプラティニ会長は明かした。

「チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)とヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)で施行されている規定はレフェリーにも徹底されている」とプラティニ会長が言うように、UEFAでは試合中に人種差別が認められた場合の処置についてすでに厳しく定められている。

「人種差別的なチャントが起きたら、試合を1分間中断して会場全体に対してアナウンスを行うことができる。その後も続くようであればさらに2分間の中断に入り、また止めるよう要請する」

「3度目、それでも止まない場合はレフェリーの判断により試合を中止することもできる。スタジアム内における最高権力者は審判だ」

(c)AFP