【1月7日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)に所属するケヴィン・プリンス・ボアテング(Kevin Prince Boateng)が人種差別的な暴言に抗議してピッチを去った件について、偏見の根絶へ向けた闘いは支持するものの、その行為は間違っているとの考えを示した。

 ドイツ生まれのガーナ人選手のボアテングは、4日に行われたプロ・パトリア(Pro Patria)との親善試合で同クラブのサポーターから人種差別的なあざけりを受けると、サポーターに向かってボールを蹴り、抗議のためすぐさまピッチから立ち去った。ACミランのチームメイトもその後に続いた。

 しかし、ボアテングの判断は間違っているとの見解を示したブラッター会長は中東の英字新聞「ザ・ナショナル(The National)」に対し、「ピッチから立ち去った?それが問題の解決になるとは思わない」とコメントした。

 続けて、「この問題から逃げることは出来ないと思う。非常に繊細な問題だが、前にも言った通りスタジアムの中では人種差別が許容される余地はゼロだ。それに対しては闘わなければいけない。唯一の解決策は厳しい制裁、たとえば減点法のような制裁を科すことだ」と語った。

 FIFAと欧州サッカー連盟(UEFA)は、以前から抗議のためピッチを離れる選手に警告を行っている。(c)AFP