【7月14日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の上海申花(Shanghai Shenhua)に移籍したコートジボワール代表のディディエ・ドログバ(Didier Drogba)が14日、中国に到着し、盛大な歓迎を受けた。

 上海申花と2年半の契約を結んだドログバは、上海(Shanghai)市の浦東国際空港(Pudong International Airport)で背番号11のユニフォームを着けた大勢のファンに出迎えられ、人々の間を通り抜けながらサインと握手に応じた。

 空港に駆けつけたファンの1人は、「いいことを教えてあげよう。ドログバがやって来たことで、上海は普通の都市ではなく、世界中が知っている大都市になるんだ」と語った。

■豊富な資金で一流選手を獲得する中国サッカー界

 近年、中国のサッカークラブはビジネスで成功を収めた大富豪から資金援助を受けて多くの外国人スター選手を獲得しており、そのうちの1人となった34歳のドログバは、国内最高額の週給31万4000ドル(約2500万円)を受け取ると報じられている。

 実業家の朱骏(Zhu Jun)氏に買収された上海申花は、今年1月にドログバとほぼ同等の金額でニコラ・アネルカ(Nicolas Anelka)を獲得しており、2人の強力なストライカーは、5月に就任したばかりの元アルゼンチン代表監督のセルヒオ・バティスタ(Sergio Batista)氏の下でプレーすることになる。

 ドログバは14日にホームで行われる北京国安(Beijing Guoan)とのリーグ戦には出場しないものの、ファンに挨拶するためピッチに登場することが予想されており、デビュー戦は中国FAカップ(Chinese FA Cup)の長春亜泰(Changchun Yatai)戦になるとみられている。

 リーグ前半戦を折り返した上海申花は、14日現在で最下位と勝ち点2差の13位と低迷しており、ドログバとアネルカには後半戦で巻き返すための活躍が期待されている。

■キャリア晩年を迎えたドログバ、新天地での挑戦に意欲

 年齢的にはキャリアの晩年を迎えているドログバだが、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)の一員として臨んだ5月の欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)決勝では、自身が決定的な役割を果たせる攻撃力を備えたストライカーであることを証明し、チームの欧州制覇に貢献した。

 2004年にフランス・リーグ1のオリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)からチェルシーに移籍し、通算341試合で157得点を記録したドログバは、上海申花と正式契約を交わした際に「新しい挑戦や新たな文化に触れることを楽しみにしているし、中国リーグの新しい発展に期待している。中国サッカーを世界に発信して、中国とアフリカの関係をさらに発展させたい」とコメントを残している。

 代表チームが長い間低迷している中国サッカー協会(Chinese Football AssociationCFA)の関係者は、「世界トップレベルの選手と監督は、国内の選手に学ぶ機会を与えてくれる。この交流を技術発展に生かし、中国サッカーのレベルが全体的に向上することを願っている」と語った。

 しかし、その一方で一部の評論家からは、必要以上のお金の投資や、外国人選手1人分の給与がチームメイト全員の給与の総額より多いケースを問題視され、世間一般とサッカー界の価値観がかけ離れているとして批判を浴びている。(c)AFP/Cameron Wilson