【7月6日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は5日、スイス・チューリヒ(Zurich)の本部でルール改正を協議する国際サッカー評議会(International Football Association Board、IFAB)の会合を行い、女子選手に対する試合中のスカーフ着用禁止を撤廃した。

 これまで主要国際大会では、安全上の理由でイスラム教徒の女子選手のヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭髪を覆うスカーフ)着用を禁止していたが、FIFAはこれまでの方針から一転し、ヒジャブは宗教ではなく文化の象徴だとの見解を示していた。

 3月にFIFAの副会長を務めるヨルダンのアリ王子(Prince Ali)がマジックテープで着脱できる安全なデザインのヒジャブ着用を認めるよう提案したことを受け、IFABはFIFA主催試合で選手のヒジャブ着用を許可している。

 カナダで11歳の少女が安全上の理由からヒジャブ着用を認められなかったことを受け、FIFAには2007年に定めたこの規則を撤廃するよう圧力が強まっていた。

 ヒジャブをめぐっては、2011年に行われた女子サッカーのロンドン五輪アジア2次予選のイラン対ヨルダンの試合で、イラン代表の選手がヒジャブを着用していたために出場資格を取り消され、ヨルダン代表の選手も3人が失格となった。

 この決定に対してイランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は、FIFAを「独裁的かつ植民地主義的な行動」と激しく非難している。(c)AFP