【7月2日 AFP】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)決勝で敗れたイタリア代表の主将を務めるゴールキーパー(GK)のジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)は、落胆を見せながらもスペイン代表を賞賛した。

 前半に2点を失ったイタリアは、交代枠を使い切った後にティアゴ・モッタ(Thiago Motta)が負傷退場して試合時間の残り30分を10人で戦わざるをえなくなり、最終的には世界王者スペインに0-4で大敗を喫した。

 しかしブッフォンは最高のチームに負けたことは恥ずべきことでないと語った。
 
 ブッフォンは「チームが酷く落ち込んでいるのは、初めての決勝進出だった選手が多いからだ。でも、こういった重要な試合で目にした通り実力に相当な差があると、それを認めて相手を賞賛するしかない」と話した。

 また、「試合開始から終了まで、(スペイン選手の)赤い波が良く見えた。彼らは強くいるための知識と望みどおりに試合を展開する力を兼ね備える中でプレーして、これまで幾度となく重ねてきた勝利の経験から、勝ち方を理解していた。もちろん、肉体的に厳しいチーム(イタリア)に対してもね」とコメントした。

 両国は、グループリーグ初戦で1-1と引き分けていたため、勝敗はどちらに転んでもおかしくないかのように思われた。しかし、イタリアは決勝戦に至るまでにスペインよりも1日遅れで試合をこなしていたため、準備にかけた時間が24時間少なく、スペインの勢いが増すと対応することができなかった。

 一方、ミッドフィルダー(MF)のダニエレ・デ・ロッシ(Daniele De Rossi)は、リードを許す中で、自分たちが観客同然の状態になっていたと振り返った。

 デ・ロッシは「大会初戦でも対戦したが、あの時は元気で俊敏さと勢いがあった。これは全く異なるゲームで、彼らはさらに強くなっていた。モッタが負傷退場した後は、無力な視線を交し合っているだけで、試合は終わっていた」と明かした。

 デ・ロッシはまた、イタリア・セリエAで問題になっている八百長スキャンダルが今大会に備えていたチームに影響を及ぼし、親善試合ではロシアに0-3で敗れたものの、チームはプライドだけは携えて大会に臨み、勝ち進む中で状態が好転していったと明かした。

 「このチームの一員だったことを誇りに思う。最も大切なことはイタリア人のサッカーに対する情熱を再び燃え上がらせることだった。大会前のスキャンダル発覚後、僕らはたまに感情的になりながらもプロ意識を保っていた。僕らは大きくステップアップして、初戦から準決勝まで改善していった。敗北感は巨大なものだけれど、それは自分たちに勝るチームがいたということだ」

(c)AFP/Barnaby Chesterman