【6月28日 AFP】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)は28日、準決勝のドイツ対イタリア戦が行われる。ここでは両チームの過去の主な対戦5試合を振り返る。

 ドイツとイタリアが最後に対戦したのは2011年2月の親善試合で、結果は1-1の引き分けに終わっているが、ドイツはイタリアと対戦したW杯と欧州選手権の計7試合で一度も勝利を収めたことがなく、これまでの歴史だけでみればイタリアが優勢となる。

■イタリア4-3西ドイツ(1970年W杯メキシコ大会準決勝)、 1970年6月17日

 メキシコシティ(Mexico City)のアステカ・スタジアム(Estadio Azteca)に102000人の観客が詰め掛けた試合は、「20世紀最高の試合」と呼ばれる一戦になった。

 イタリアは前半8分にロベルト・ボニンセーニャ(Roberto Boninsegna)が先制点を挙げ、試合の主導権を握ったものの、ドイツは後半終了間際にカール・ハインツ・シュネリンガー(Karl-Heinz Schnellinger)がゴールを決め、土壇場で1-1の同点に追いついた。

 迎えた延長戦、ドイツはゲルト・ミュラー(Gerd Mueller)のゴールで勝ち越しに成功するも、その後イタリアはタルキシオ・ブルニッチ(Tarcisio Burgnich)の得点で2-2の同点に追いつき、延長前半終了間際にはルイジ・リーヴァ(Luigi Riva)のゴールで再びリードを奪った。
 
 はらはらするような展開の中、延長後半にドイツはミュラーがゴールを決めて試合を再び振り出しに戻したが、イタリアはその1分後にジャンニ・リベラ(Gianni Rivera)が決勝点を挙げ、壮絶な打ち合いを制した。

 準決勝で力を出し尽くしたイタリアは、決勝でブラジルに1-4で敗れている。

■西ドイツ0-0イタリア(1978年W杯アルゼンチン大会2次リーグ)、1978年6月14日

 大会方式が2次リーグ制だった同大会でW杯2連覇を狙っていた西ドイツだったが、ブエノスアイレス(Buenos Aires)でイタリアと引き分けた後、続くオランダ戦でも引き分けに終わり、最終戦となったオーストリアとの試合では2-3で敗れ、決勝進出を逃した。

 西ドイツは当時の守護神ゼップ・マイヤー(Sepp Maier)がこの一戦でW杯通算16試合目の出場を果たしたが、チームはイタリアのゴールマウスを守るディノ・ゾフ(Dino Zoff)の牙城を崩すことができなかった。

 2次リーグを2位で終えたイタリアは3位決定戦に進出し、同3位の西ドイツは敗退に終わっている。

■イタリア3-1西ドイツ(1982年W杯スペイン大会決勝)、1982年7月11日

 準決勝でフランスとのPK戦を制した西ドイツだったが、マドリード(Madrid)で行われた決勝ではイタリアのパオロ・ロッシ(Paolo Rossi)、マルコ・タルデッリ(Marco Tardelli)、アレッサンドロ・アルトベッリ(Alessandro Altobelli)に得点を許した。

 西ドイツは0-3で迎えた試合終盤にパウル・ブライトナー(Paul Breitner)が1点を返したものの、イタリアが44年ぶり3度目の優勝を飾った。

■ドイツ0-0イタリア(欧州選手権1996本大会)、1996年7月19日

 当時のドイツ代表の守護神で、現在はチームでコーチを務めるゴールキーパー(GK)のアンドレアス・ケプケ(Andreas Kopke)が、ジャンフランコ・ゾラ(Gianfranco Zola)のPKを止める活躍をみせ、イタリアを敗退に追い込んだ。

 グループリーグ2試合を終えた時点で1勝していたイタリアが準々決勝に進出するためには、イングランドのマンチェスター(Manchester)で行われた同試合でベルティ・フォクツ(Berti Vogts)監督率いるドイツに勝利することが絶対条件だった。

 その後ドイツは、オールド・トラフォード(Old Trafford)で行われたクロアチアとの準々決勝に勝利した後、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたイングランド戦ではギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)のPK失敗により決勝に駒を進めた。

■ドイツ0-2イタリア(2006年W杯ドイツ大会準決勝)、2006年7月4日

 ユルゲン・クリンスマン(Jurgen Klinsmann)監督が率いたドイツの快進撃は、アズーリ(イタリア代表の愛称)に敗れたことで終焉を迎えた。

 ドルトムント(Dortmund)で行われた準決勝は、完成度で勝っていたイタリアがドイツの守備を攻略することができず、0-0のまま90分間を終えて試合は延長戦に持ち込まれた。

 延長戦でも互いに譲らず、PK戦にまでもつれるかと思われた試合終了間際、イタリアはアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)のパスを受けたファビオ・グロッソ(Fabio Grosso)がドイツのGKイェンス・レーマン(Jens Lehmann)から待望の先制点を奪うと、そのわずか1分後には、アレッサンドロ・デル・ピエロ(Alessandro Del Piero)が追加点を挙げて勝利を手にした。

 ドイツはその後行われた3位決定戦でポルトガルを3-1で下し、イタリアは決勝でフランスとのPK戦を制して優勝を飾っている。(c)AFP/Ryland James