【6月24日 AFP】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)で準決勝進出を果たした前回王者のスペインには、守備的ミッドフィルダー(MF)にまで得点能力が備わっており、チームにとってストライカーの存在はあまり重要ではないのかもしれない。

 スペインのビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督は、ウクライナのドネスク(Donetsk)で行われたフランスとの準々決勝でフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)をベンチスタートに戻し、セスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)をストライカーとして先発起用した。

 しかしながらスペインに勝利をもたらしたのは、誰が見てもストライカーとは言い難いシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)だった。アロンソはヘディングとペナルティーキック(PK)で2得点を挙げる活躍を見せ、自身の代表戦通算100試合出場を勝利で飾った。

 試合後にアロンソは、「代表戦100試合出場をゴールで飾ることができてとても嬉しいよ。準決勝からは生き残りをかけた戦いになる。今日の試合ではチャンスを多く作ることができなかったが、試合を順調に運ぶことはできた」と語った。

 また、スペインのラジオ局カデナ・コペ(Cadena Cope)に出演したアロンソは、「試合をうまくコントロールできていたと思う。厳しい戦いになることを覚悟していたが、チームは素晴らしいパフォーマンスを披露した」と試合を振り返った。

 かつてイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属していたアロンソは、27日に行われるポルトガルとの準決勝で、現在所属するスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)で同僚のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)やぺぺ(Pepe)と対戦することになる。

 ポルトガルと対戦することについてアロンソは、「ロナウドのことは誰もが知っている。でも恐れてはいない」と語っている。

 グループ初戦でイタリアと引き分け、同最終戦でクロアチアに1-0で辛勝したことで、トーレスの起用法をめぐり一部から批判の声が挙がっていたデル・ボスケ監督だったが、フランス戦ではトーレスを再びベンチに置いたことで、結果的にこの采配が功を奏した。
 
 スペイン代表で史上5人目の100試合出場を達成したアロンソは、「批判は気にしていない。最近は実力が伯仲しているので、僕らは努力をしなければならない。次の試合は最も重要な一戦になる」と語った。(c)AFP