【6月21日 AFP】欧州サッカー連盟(Union of European Football AssociationsUEFA)の審判部長を務めるピエルルイジ・コッリーナ(Pierluigi Collina)氏は20日、19日に行われたサッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)グループD最終戦のイングランド戦で、ウクライナのゴールは認定されるべきだったと語った。

 ポーランドのワルシャワ(Warsaw)で会見に臨んだコッリーナ氏は「ボールはラインを越えていた。不運なことだ」と語った。

 1-0とイングランドがリードして迎えた同試合の後半17分、ウクライナのマルコ・デヴィッチ(Marko Devic)のシュートをゴールキーパー(GK)ジョー・ハート(Joe Hart)がセーブすると、ボールは浮き上がってゴールに向かった。そのボールを、イングランドのディフェンダー(DF)ジョン・テリー(John Terry)がバーの下で体を投げ出してクリアした。

 リプレイ映像はボールがゴールラインを割っていたことを示していたが、ゴール横の追加副審からの報告を受けたビクトル・カッサイ(Viktor Kassai)主審はプレー続行を手を振って合図した。

 この結果イングランドが勝利し、ウクライナの敗退が決まった。しかしながら、試合が引き分けに終わった場合でもウクライナのベスト8進出はなかった。

 ウクライナではこの判定に対し、少なくともチームは勝ち点1を取り逃したなど批判が巻き起こっている。

 コッリーナ氏は5人の審判団システムは欧州内の大会の「数千試合」で成功を収めているとし、「この選手権の24試合でネガティブな判定の一つだが、これが唯一の問題だ」と付け加えた。

 ウクライナ国内の激しい憤りや、コッリーナ氏のこの評価は、ゴールライン・テクノロジー導入の議論の口火を再び切るものとなった。国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)は同システムの導入に肯定的なものの、UEFAは否定的な立場を取っている。(c)AFP/Phil Hazlewood