【6月20日 AFP】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)は19日、共催国ウクライナでグループDの2試合が行われ、ドネツク(Donetsk)ではイングランドが1-0でウクライナを下し、グループ首位で8強入りを果たした。

 イングランドは後半3分に出場停止明けのウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が得点を挙げ、24日に行われるイタリアとの準々決勝に駒を進めた。一方敗れた共催国ウクライナは、敗退が決まった。

 しかしながらウクライナは、後半17分にマルコ・デヴィッチ(Marko Devic)が放ったシュートがゴールと認定されない大きな不運に見舞われ、同点に追いつくことができなかった。

 決勝トーナメント進出に向けて勝利が必須だったウクライナは序盤からペースを掴み、デニス・ガルマシュ(Denys Garmash)、アンドリー・ヤルモレンコ(Andriy Yarmolenko)らがゴールに迫ったものの、イングランドはディフェンダー(DF)陣とゴールキーパー(GK)ジョー・ハート(Joe Hart)が得点を阻んだ。

 試合を支配されながらも前半を0-0で乗り切ったイングランドは後半3分、スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)が右サイドからクロスを送ると、ウクライナのディフェンダー2人に当たったボールがGKアンドリー・ピャトフ(Andriy Pyatov)をすり抜け、ルーニーがこれをヘディングで押し込んで先制した。

 反撃に出たウクライナは、アルテム・ミレフスキー(Artem Milevskiy)がヘディングシュートを放つも枠を外すと、デヴィッチが問題の火種となったシュートを放った。

 シュートにつながる動きの中でオフサイドポジションにいたデヴィッチは、ペナルティーエリアに入り込みシュートを放つと、イングランドのGKハートに当たったボールが大きく跳ね上がった。そのボールをジョン・テリー(John Terry)が体を投げ出して蹴り返し、ウクライナのサポーターらはゴールをアピールしたものの、判定はノーゴールとなった。

 リプレイ映像ではボールがゴールラインを数センチ割っていたものの、ゴール脇に構えていた追加の副審は信じられないほどのミスを犯した。

 2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)決勝トーナメント1回戦のドイツ戦では、イングランドのフランク・ランパード(Frank Lampard)のゴールが認められなかったこともあり、同様の問題が起こったことがゴールライン・テクノロジーの導入を加速させる事態となっている。

 後半25分にアンドリー・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)が投入されてウクライナは流れを取り戻すかと思われたが、ベテランストライカーの物語の最高の締めくくりは訪れることなく、イングランドがそのまま逃げ切った。(c)AFP/Rob Woollard