【4月9日 Relaxnews】サッカー欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)の開催が2か月後に迫る中、開催国ポーランドの最高監査院(NIK)は3日、各国でスタジアム入場禁止処分となっているフーリガンの名簿を同国が保有していないため、大会の安全な運営が懸念されると警告した。

 サッカー欧州選手権は欧州16か国・地域で争われる大会。2012年はウクライナとポーランドの共催で、開幕戦はポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)で行われる。

 だが、大会治安対策の準備状況について、最高監査院のヤチェク・イェジェルスキ(Jacek Jezierski)院長は「外国でスタジアムの入場が禁止されている人物の有効なリストが、ポーランドにはない。大会に向けた対応が、あまりにも遅い」と警察を非難。さらに、「現在に至るまで、協力国との間で、なんの合意もなされておらず、この件に関する法的基準も存在しない。このことは大会中、警察によるスタジアム内外での安全確保を妨げかねない」と警告した。

 人口約3800万人のポーランドは、国内に過激なフーリガンが推測5000人いるとみられている。このため、これまで同国の大会に向けた事前準備は自国内のフーリガン対策に重点が置かれていた。

 一方、ポーランド警察側は、最高監査院の警告は大げさすぎると一笑に付し、参加各国の警察当局と情報を共有することを強調。各国警察の連絡担当官らと行動を共にするため要注意人物などの名簿はそもそも必要ないと反論した。

 サッカー欧州選手権2012のグループステージでは、開催国ポーランド、前大会優勝国のスペイン、そしてクロアチア、チェコ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ロシアの8か国がポーランドで、もう1つの開催国ウクライナとデンマーク、イングランド、ドイツ、オランダ、ポルトガル、フランス、スウェーデンはウクライナで、それぞれ試合に臨む。(c)Relaxnews/AFPBB News