【10月21日 AFP】英国五輪委員会は20日、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で会見を開き、2012年のロンドン五輪に出場するサッカー英国代表監督に、U-21イングランド代表の監督を務めるスチュアート・ピアース(Stuart Pearce)氏が就任することを発表した。

 女子英国代表監督には、ホープ・パウエル(Hope Powell)氏が就任する。

 英国代表はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの選手を含めた統一チームになるが、各国のサッカー協会は英国代表として出場することに不満を抱えており、召集拒否も噂されるなどピアース監督は早くも問題に直面している。

 ピアース監督は「イングランドの選手だけを選出することはない。一国家として団結するため、各地域は積極的に代表選出に協力して欲しい。選手たちは国の代表になることを望んでいるはずだ」と話し、五輪開幕が間近になれば現在反対している協会や関係者も協力的になるだろうと楽観視していることを明かした。

 しかし、スコットランドサッカー協会(Scottish Football AssociationSFA)は「立場は明確にしている。国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)に加盟する独立国として受け入れ難い」とコメントし、英国代表として五輪に参加する意思はないと繰り返した。

 U-23代表が出場するロンドン五輪サッカーは、代表18名のうち23歳以上の選手(オーバーエイジ)3名の参加が認められている。

 イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)は、欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)に出場する選手の参加は不可能としており、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)で活躍するギャレス・ベイル(Gareth Bale)や、アーセナル(Arsenal)のアーロン・ラムジー(Aaron Ramsey)が召集される可能性がある。

 しかし、ピアース監督は「現在は視察段階だ。代表に参加する意欲があり、技術と体力に優れていればどの選手にもチャンスはある」と話し、選手選考について直接的なコメントを避けた。

 また、オーバーエイジ枠での召集が期待されている前イングランド代表キャプテンのデビッド・ベッカム(David Beckham)についてピアース監督は、平等に審査するとしながらも、五輪開幕時には37歳になるベッカムの年齢を懸念していることを明かし、近年の同選手のプレーには注目していないと話した。(c)AFP