【5月6日 AFP】英紙デーリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)は6日、3大陸にまたがって300以上の試合で八百長の仕掛け人(フィクサー)が暗躍しているとの報告を受け、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)が調査に乗り出したと報じた。

 FIFAは、国際親善試合や欧州クラブの試合において、審判らが少なくとも1万ドル(約80万円)の報酬と引き替えに試合結果の操作に関与し、フィクサーにアジアの賭博市場から数億ドルの儲けが転がり込んでいると見ているという。

 テレグラフ紙によると、国際刑事警察機構(インターポール、Interpol)の元職員で、FIFAのセキュリティー部部長を務めるクリス・イートン(Chris Eaton)氏が同紙に、「八百長がサッカーの品位に重大な脅威となっている」と認めた。

 同氏は「(八百長に)関与した者たちへの聴取から、フィクサーは国際親善試合の操作に1試合あたり30万ドル(約240万円)以上を費やすことができ、それでも大きな利益を上げられると考えていることが分かった」「数千万ドルの利益を得ているだろう」などと語っている。

 少なくとも6つのサッカー協会の職員が、シンガポールとマレーシアを拠点とする犯罪ネットワークに荷担している疑いが持たれている。

 イートン氏によるとFIFAは、今夏開催されるU-17W杯(U-17 World Cup)やU-20W杯(U-20 World Cup)を八百長のターゲットにする計画があるという情報を関係者から得ており、警戒を強めている。「それだけでも、予防措置を講じる必要があると考えるのには十分だ」と同氏は懸念を示した。

 八百長疑惑は、ドイツやフィンランドでのクラブの試合や、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League )、クウェートやヨルダン、ボリビア、ラトビア、ブルガリア、エストニア、マレーシア、ジンバブエが絡んだ国際親善試合にも及んでいる。

 中でも、バーレーン対トーゴの親善試合は、試合の後にトーゴ側が代表チームを派遣していないと発表して世界中の注目を集めた。試合に出場したのはアマチュアで構成された偽の代表チームで、90分間体力がもたなかった。調査対象となっているこの試合では、バーレーンは8ゴールを決めたものの、うち5回が取り消しとなり、最終的には3-0でバーレーンが勝利している。(c)AFP

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