【7月29日 AFP】サッカー・アルゼンチン代表監督を事実上解任されたディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)は28日会見し、「裏切られた」「嘘をつかれた」など悪態をつき、同国サッカー協会会長と総監督を感情あらわに批判した。

 マラドーナは、自分の解任劇はフリオ・グロンドーナ(Julio Grondona)AFA会長とカルロス・ビラルド(Carlos Bilardo)総監督が仕組んだものだと述べ、「グロンドーナに嘘をつかれた。ビラルドに裏切られた」と失望と怒りをむき出しにした。

 代表チーム監督在任中、大きな注目と批判を浴びたかつてのスーパースターは、アルゼンチンサッカー協会(Argentine Football AssociationAFA)の27日の理事会で契約更新が否決され、その任をあっけなく解かれた。

「グロンドーナはサッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で(準々決勝でドイツ代表に4-0で完敗し)敗退が決まった直後、ロッカールームで選手やみんなの前で、わたしの仕事に大満足している、続投してほしいと言ったんだ」とマラドーナは力を込めた。「アルゼンチンに帰国したとたん、おかしなことになっていった」

「月曜(26日)にグロンドーナと会ったとき、5分ほど話した後、彼は続投してほしいと言った。だが、わたしのテクニカル・スタッフ7人は解任だと言われた。つまり、わたしに監督を続けてほしくない、と言ったわけだ。わたしがアシスタントなしで続けることなどできないことくらい、彼は百も承知なのだから」

 またビラルド総監督については、「われわれがまだ敗戦を嘆き悲しんでいたとき、ビラルドは影でわたしの解任を画策していた」と述べた。

 その後、マラドーナは泣き出さんばかりの表情で思いのたけをぶちまけた。「内部問題で分裂し、対立するチームにわたしは呼び入れられた。火を消してくれと頼まれ、みんなでそれを遂げた。わたしは自分の持てるすべてを捧げてきた。どこもかしこも裏切りだらけだ。アルゼンチンのサッカーにベストなことを望まない人間がいるんだ。腹の中では、自分の利益しか眼中にないやつらだ」

 マラドーナの事実上の解任についてアルゼンチンのメディアは過熱し、その批判の矛先はビラルド総監督に向けられている。(c)AFP