【7月1日 AFP】北朝鮮代表は炭鉱送りになるかもしれず、ナイジェリア代表は国際試合出場禁止に――。2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で華々しい勝利を挙げ歓喜に沸くチームがあれば、敗退して厳しい現実に直面するチームもある。

「大衆紙で酷評される」程度のイングランド代表は、自分たちを「ラッキーだ」と考えるべきかもしれない。 

 1次リーグでポルトガルに7-0の大敗を喫した北朝鮮の選手たちは、帰国した際「石のような無表情」だった。2004年に脱北した北朝鮮の元代表監督ムン・ギナム(Moon Ki-Nam)氏は、これは良くない兆候かもしれないと記者団に語った。代表チームにとってなお悪いことには、初戦で強豪ブラジルを相手に1-2と善戦したことで、次のポルトガル戦はテレビで生中継されていた。「選手や監督は勝てば豪邸を与えられるが、負ければ炭鉱送りだ」

 一方、1次リーグで1勝もできず、奪った得点もわずか1点のグループ最下位と振るわなかったナイジェリア代表。同国のグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は前月30日、代表チームの2年間の国際試合出場禁止を発表した。チーム建て直しのためという。

■W杯をめぐる暗黒の歴史

 W杯の歴史を振り返ると、不振に終わった代表チームへの「過酷な仕打ち」はこれまでにもあった。

 イラクの故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の息子でイラク・オリンピック委員会長やイラク・サッカー協会会長を務めた故ウダイ・フセイン(Uday Hussein)氏は、十分な活躍を見せなかった代表選手に対し、電気コードでのむち打ちや汚水の中につけるなどの懲罰を与えたとされる。

 最も悲痛な運命をたどったのは、1994年の米国大会で地元米国にオウンゴールを献上してしまったコロンビア代表のアンドレス・エスコバル(Andres Escobar)選手だ。コロンビアは予想外の1次リーグ敗退に終わり、帰国したエスコバル選手はサッカー賭博で大損したマフィアに雇われたとみられる殺し屋に射殺されたのだった。(c)AFP