【6月23日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で話題になっている南アフリカの民族楽器「ブブゼラ」。この楽器をめぐり、南アフリカの教会「ナザレ・バプティスト・チャーチ(Nazareth Baptist Church)」は22日、ブブゼラの製造メーカーの1つと、同教会の創始者がブブゼラを発明したということで合意したと発表した。

 同教会の広報担当者は、ブブゼラは教会創始者のIsaiah Shembe師が約100年前に、レイヨウの角を使って発明したと語る。ブブゼラは祈りをささげる時に同教会の信徒たちが吹いていたという。

 ブブゼラは現在、プラスチック製のものが大量生産されており、W杯の必需品となっているが、教会はブブゼラの知的財産権を主張して訴訟も辞さない構えを見せてきた。

 1980年代、ダーバン(Durban)のサッカーチーム「アマズール(AmaZulu)」のサポーターたちが、スタジアムでレイヨウの角やサトウキビの茎で作った管楽器を吹き始めた。その後、ソウェト(Soweto)のサッカーチーム「カイザー・チーフス(Kaizer Chiefs)」のサポーターがこの伝統を受け継ぎ、ヨハネスブルク(Johannesburg)周辺に広がった。

 2001年に、現地スポーツメーカー「Masincedane Sport」が、プラスチック製ブブゼラを大量生産することを決めた。

 創始者の名をとって「Shembe」としても知られるナザレ・バプティスト・チャーチは、キリスト教とズールー(Zulu)の伝統とが結びついたもので、400万人の信徒がいるとされている。Shembe師は、アフリカの救世主としてあがめられている。(c)AFP