【2月9日 AFP】2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)アジア最終予選で11日に対戦する日本とオーストラリアは、この試合の勝者が本大会出場に大きく近づくことから、重要な局面を迎えている。

 各グループの上位2チームのみが自動的に本大会出場となるため、敗戦の代償は高くつくことになる。

 勝利すれば勝ち点が12となるオーストラリアは、残り4試合のうち3試合がホーム開催のため、2大会連続での本大会出場に向けて有利な立場に立つ。

 グループAはオーストラリアが首位に立ち、次いで勝ち点7の日本、勝ち点4で11日には試合のないカタール、11日に直接対決を控え、本大会出場へわずかな望みをつなぐために必死で勝利を目指す勝ち点1のバーレーンと、カザフスタンが続いている。

 オーストラリアは、欧州のクラブに所属する選手をそろえて横浜で行われる日本戦に臨むが、イングランド・プレミアリーグのブラックバーン・ローバーズ(Blackburn Rovers)に所属するブレット・エマートン(Brett Emerton)は、ひざ十字靱帯(じんたい)の負傷で欠場することになった。また、トルコリーグのガラタサライ(Galatasaray)に所属するハリー・キューウェル(Harry Kewell)も、ヘルニアの手術からの復帰が間に合わず欠場する。

 しかし、チームへの影響力が強いブラックバーンのビンス・グレラ(Vince Grella)が代表に復帰し、ピム・ファーベーク(Pim Verbeek)監督が率いる経験豊富な陣容に厚みを加えている。

 ファーベーク監督は「彼ら(日本)には長い準備期間があった(中略)我々には何の準備もないので、彼らには大きなアドバンテージがある。だが我々のアドバンテージは、選手たちが国際舞台での経験が豊富だということだ。彼らはどうすればよいか分かっている」と語っている。

 対する日本は、スコットランド・プレミアリーグのセルティック(Celtic)に所属する中村俊輔(Shunsuke Nakamura)が再びチームの基軸となる。中村は、勝ち点3が不可欠であることを理解しつつ「泥臭く」プレーすることを誓った。

 中村は「泥臭くても構わない。勝ち点3を取りに行く」と語っている。

 中村もチームメイトも、未だに日本が06サッカーW杯のグループリーグでオーストラリアにどのようにして1-3で敗れたかを記憶している。この試合で日本は残り9分間で3失点を喫している。

 日本は2007年にハノイ(Hanoi)で行われたアジアカップ(Asian Cup)の準々決勝で、120分間を終えて1-1で迎えたPK戦の末にオーストラリアを下し、リベンジを果たしているが、W杯での敗戦は今でも長く心にうずいており、中村は「同じ過ちは繰り返さない」と語っている。(c)AFP/Hidenori Fukuo