【6月29日 AFP】サッカー元ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏は、29日に開催される欧州選手権2008(Euro 2008)決勝でドイツがスペインに過去26年負けていないペナルティーキック(PK)戦で勝つことを期待している。

 選手として1974年のW杯を制し、監督としても1990年のW杯で優勝を果たしているベッケンバウアー氏は、エルンストハッペル・スタジアム(Ernst-Happel Stadium)で行われる決勝戦で多くの得点が入ることを楽しみにしているが、PK戦の末にドイツが勝利をつかみ取ることを期待している。

 W杯と欧州選手権の主要大会でドイツ代表は、1976年の欧州選手権の決勝で現在バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のゼネラルマネージャー(GM)を務めるウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)氏が外してチェコに負けて以来PK戦で敗れておらず、以降のPK戦では5戦全勝を飾っている。

 ドイツ代表では、1982年のW杯のフランスとの準決勝でスペイン・リーガエスパニョーラ1部のレアル・マドリード(Real Madrid)などで活躍したウリ・シュティーリケ(Uli Stielike)氏が最後にPKを外しているが、この試合でもドイツは5-4でPK戦を制している。

 なお、近年でドイツは1990年のW杯と1996年の欧州選手権の準決勝でイングランドを、06サッカーW杯では準々決勝でアルゼンチンをPK戦で下している。

 ベッケンバウアー氏は「得点の多い決勝になることを望んでいる。恐らく世界中で数十億人が観戦するので、多くのゴールが決まり同点になって延長戦に突入し、最後はもちろんPK戦でドイツに勝って欲しい」と語っている。

 また、「皇帝(Kaiser)」と称されるベッケンバウアー氏は、欧州チャンピオンズリーグ2007-08(UEFA Champions League 2007-08)の決勝でマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に敗れ優勝を逃したチェルシー(Chelsea)に所属するドイツ代表の主将ミヒャエル・バラック(Michael Ballack)が29日の夜にトロフィーを掲げることも望んでいる。

 ベッケンバウアー氏は「知っての通り彼にとってビッグタイトルを獲得する大きなチャンスだ。彼はそのために精進し戦っているので、彼の幸運を祈っている。彼はドイツのリーダーなので試合の鍵を握るだろう。彼は試合を支配する男だ。彼は本物のキャプテンであり本物のリーダーだ。恐らく彼は決勝で違いをもたらすだろう」と語っている。(c)AFP/Ryland James