ドナドニ監督 辞任を否定
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【6月24日 AFP】サッカーイタリア代表は22日に行われた欧州選手権2008(Euro 2008)の準々決勝でペナルティーキック(PK)戦の末にスペインに敗れたが、同国代表のロベルト・ドナドニ(Roberto Donadoni)監督は23日に辞任することを否定した。
06サッカーW杯ドイツ大会の覇者イタリアは、欧州選手権では準々決勝で姿を消した。そしてドナドニ監督は、消極的で感動を与えるようなものとは程遠い戦術により非難の的になっている。
グループリーグ初戦ではオランダに0-3で敗れたイタリアは、ルーマニアとの第2戦を1-1で引き分け、フランスとの最終戦に2-0で勝利を収めて準々決勝に進出した。
累積警告のため出場停止になったアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)とチームで主将を務めるファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)を欠いたイタリアは、創造性と闘争心を欠き120分間戦った後のPK戦で敗れて大会から姿を消した。
報道陣はドナドニ監督が辞任を迫られると推測していた。そして辞任するか否かの質問を受けたドナドニ監督は、むきになりながら「辞任?頭の中にその考えが浮かんだことは一度たりともない。PK戦での負けによって、大会における評価が変わることはない。それはばかげている」と語っている。
辞任しないとの信念にもかかわらず、多くの新聞が06サッカーW杯でチームを優勝に導いたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏が復帰すると考えているため、ドナドニ監督に時間は残されていないように思われる。
さらにはスペイン戦後にイタリアサッカー連盟(Federazione Italiana Giuoco Calcio、FIGC)のジャンカルロ・アベーテ(Giancarlo Abete)会長は、公にドナドニ監督の支持を表明することを拒んでいる。アベーテ会長は「選手たちの資質については見通しは明るい。固い結束が選手間に生まれていることを嬉しく思う。しかし、全体的な力と技術は我々が期待していた水準に達していなかった」と語っている。
アベーテ会長からどのような言葉を掛けられたのかを質問されたドナドニ監督は、内容を明かすことに積極的ではなかった。ドナドニ監督は「1時間前に朝食を食べながらアベーテ会長と話をしました。私は単にこの2年間の経験に満足していることを伝えた」と語っている。
リッピ氏の跡を継いだドナドニ監督には、2年契約しか提示されなかったため、欧州選手権の結果次第では契約延長を提示されないのではないかとの憶測を呼んだ。
大会が開幕する2日前に2年間の契約延長に合意したドナドニ監督は、自身が監督に留まるに値するか否かとの質問を受けたが、多くを語ることはなかった。ドナドニ監督は「判断を下す人物を惑わすようなことはしない。私の経歴がそれを物語っている。それについて面白おかしく話すつもりはない」としている。
それでもドナドニ監督は、推測や憶測、さらにはリッピ氏の復帰を望む声には手の打ちようがないことを認めた。ドナドニ監督は「君たちは2週間も真剣にリッピ氏の復帰について書き続けている。なのでウィーン(Vienna)に着てからは一切の論評に耳を傾けないことを決めた。それが好意的なものでも、否定的なものでもだ」と語っている。(c)AFP