【6月21日 AFP】サッカー欧州選手権2008(Euro 2008)の準決勝で22日に世界王者イタリアと対戦し、近年の主要大会でのベスト8の壁に挑むスペイン代表のルイス・アラゴネス(Luis Aragones)監督とディフェンダーのセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)との間にピッチ外で緊張が生まれている。

 話し合いの席でアラゴネス監督から態度を改める必要があると諭されたラモスは、この件に関して明らかに不満を表し、ラモスが20日のトレーニング中にアラゴネス監督の指示に対し荒々しい態度をとったことで、練習場の空気には明らかに緊張の兆しが漂っていた。

 2004年に代表入りしていたホセ・アントニオ・レイェス(Jose Antonio Reyes)を支持するため当時イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)でレイェスのチームメイトであったティエリ・アンリ(Thierry Henry)に対する中傷的なコメントがあったとして人種差別で非難を受けるなど問題を呼ぶことが多いアラゴネス監督は、19日にラモスとマンツーマンで話し合い、ピッチ外での行為を改めるように伝えていた。

 この件に関し記者会見でアラゴネス監督は「我々は意見交換を行った。私の経験を通して彼に対し伝えられることが2、3あった。『全ての面で今よりも規律があれば君は優れたフットボーラーだ。ピッチ外でのことではあるが、好ましくない奇妙なことが時々ある』とね」と語っている。

 以前ラモスは記者に対し、アラゴネス監督の下ではディフェンスラインから前線に攻め上がる時と、引かなければならない時が常にはっきりしているわけではないと語っている。

 アラゴネス監督の批判の後でカルロス・マルチェナ(Carlos Marchena)はラモスをなだめようとしたが、ラモスはマルチェナを押しのけ、その後アラゴネス監督はおしゃべりの時間は終わったと言って練習場に向かっている。

 この件について問われたフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)は「音楽について話していた」と話題を変え、その後チーム内には意見の不和があったことを否定している。

 20日午後のスペインメディアによると、アラゴネス監督は食事に遅れたり、バスの時間を守らないなどラモスの振る舞いを不愉快に思っていたとされている。(c)AFP