【6月9日 AFP】サッカー欧州選手権2008(Euro 2008)グループリーグのドイツ対ポーランド戦が行われた8日、オーストリア南部のクラーゲンフルト(Klagenfurt)でドイツ人サポーター約100人が逮捕された。

 予防措置の逮捕だったため暴力行為は無かった。まず60人ほどのグループが「全てのポーランド人は黄色い星を身に付けろ」という第2次世界大戦の開戦前と開戦中にナチスがユダヤ人に着用を強制した黄色い星の記章について大声で歌い、逮捕された。数人が逃げたものの、大多数が拘束された。

 その後、試合が開始すると他の40人ほどのグループが現れ、ナチスのスローガンに似た「ドイツがやり返すぞ。ポーランド人からものを買うな」と大声で歌い、このグループも逮捕され警察車に乗せられて連行されたとオーストリア通信(Austria Press AgencyAPA)が伝えている。また、オーストリア通信は逮捕されたサポーターが国外退去になるとも報じている。

 さらにこの逮捕劇の前には、5人のサポーターが軽犯罪で逮捕されている。

 前日の7日午後には、けんかで16人のサポーターが同市内で逮捕され、その後釈放されていた。

 ドイツ対ポーランド戦に向け同市内には、2万5000人のドイツ人サポーターと2万人のポーランド人サポーターが大挙押し寄せていた。(c)AFP