欧州選手権2008 ドーピング対策に血液検査を実施
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【3月13日 AFP】6月7日に開幕する欧州選手権2008(Euro 2008)のドーピング対策として、欧州サッカー連盟(UEFA)は12日、ヒト成長ホルモン(Human Growth Hormone)やエリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、あるいは血液ドーピングの存在を見抜くために血液検査を実施すると発表した。
オーストリアとスイスで開かれる同大会に予選を突破して参加する16チームの合意の下、少なくとも各チームから10選手が大会前のトレーニングキャンプで尿検査と血液検査を抜き打ちで受ける。また大会期間中は、各チームから2人ずつが試合後に尿と血液のサンプルを提出する。
UEFAの反ドーピングプログラムを担当するMarc Vouillamoz氏は「血液検査はドーピング撲滅に向けた大きな第一歩となる。血液検査によって、ヒト成長ホルモンもEPOも血液ドーピングも全て見抜くことができるようになる」と話した。
ただ血液検査では、選手の体内に第三者の血液が混入したことを見抜くことしかできない。現在のところ、選手が選手自身の保存血液を使用しているかどうかを見抜くことは不可能とされている。
トレーニングキャンプで採取したサンプルの結果は、大会開幕前に明らかとなり、大会期間中に採取する試合後のサンプルに関しては世界反ドーピング機関(World Anti-Doping Agency:WADA)公認の検査機関があるオーストリアのザイバースドルフ(Seibersdorf)で検査され、48時間以内に結果が明らかとなる。
UEFAのミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は、ドーピング検査を強化しながらもサッカー界にドーピングがまん延しているとは思えないとし、「フットボールの世界に組織だったドーピングはないと思う。おそらく過去にはチームドクターが関与していたかもしれないが、今はないはずだ。選手たちは長い距離を移動しなければならず、クラブからクラブへと頻繁に移籍する時代になった。もし何かが起きているとすれば、すぐに外部へ漏れるだろう」と話した。(c)AFP