【2月20日 AFP】東アジアサッカー選手権2008(East Asian Football Championships 2008)決勝大会で中国との対戦を現地20日に控えるサッカー日本代表は、日本に対し敵意を抱く地元中国のサポーターを気に留めないことを誓った。

 日本代表は1-1で引き分けた同17日の北朝鮮戦で、中国人サポーターから繰り返しブーイングや野次を飛ばされたことで、中国戦は心を鬼にして臨むことになる。

 日本代表の岡田武史(Takeshi Okada)監督は「ブーイングが審判の判定に影響を及ぼすことはあるかもしれないが、我々のプレーは変わらない。その意味ではW杯予選を前に貴重な経験になる」と話している。

 日本代表は、2004年に同じ中国で開催されたサッカー第13回アジアカップでも日本の国歌斉唱中に中国人の観衆から野次が飛ぶなど似た状況を経験している。さらに中国人サポーターは試合中も、日本人サポーターに対し紙コップやペットボトルを投げつけるなどの行為を行った。

 日本代表は決勝で中国代表を3-1で降し、通算3度目のアジア杯制覇を成し遂げたが、試合会場に停まっていた日本の外交官の車が破壊されるなど暴動に近い騒ぎにまで発展した。

 この時は、第二次世界大戦中に日本が行った中国、あるいはアジア諸国に対する武力侵略に中国人の反日感情が爆発寸前だったことに加え、日中間で東シナ海に浮かぶ小島を巡る領土問題が最も加熱していた時期だったことが背景にあった。

 スコットランド・プレミアリーグのセルティック(Celtic)でプレーする中村俊輔(Shunsuke Nakamura)が不在の中、日本代表の鍵を握る遠藤保仁(Yasuhito Endo)は、「冷静に試合に臨むべき。日本でも浦和レッドダイヤモンズ(Urawa Red Diamonds)やアルビレックス新潟(Albirex Niigata)などもっとすごいブーイングを経験したことがある。いずれにせよタイトルに望みを繋ぐためにも明日は勝つしかない」と語った。

 またベテランGKの川口能活(Yoshikatsu Kawaguchi)は「素早い攻撃が鍵を握る。相手はホームだが、攻撃の際に素早い動き出しをすれば、相手を混乱させることができる。前線からプレッシャーをかけて相手を支配したい。試合開始直後から集中して臨まないといけない」と話している。(c)AFP