【12月14日 AFP】(記事更新)イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)が13日、理事会で次期イングランド代表監督にファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏を任命することを承認したと英国放送協会(BBC)が報じた。

 理事会ではカペッロ氏との契約交渉が成立することを前提にスティーヴ・マクラーレン(Steve McClaren)前監督の後任に指名する事が承認されたことで、同氏による代表チーム再興計画発動へ青信号がともった。

 カペッロ氏(及びそのアドバイザー)との会談を経た後にFA上層部は契約に向けての詳細を全てを詰めるまでには至らなかったが、FAの広報を務めるエイドリアン・ベヴィントン(Adrian Bevington)氏は、交渉が有意義に行われほぼ完了していることを示唆した。

 カペッロ氏との契約交渉を成功に終わらせることを前提としてFAの理事会で同氏の監督任命が承認されたと語ったベヴィントン氏は、「明日へ続くものです。強調すべきことは、契約を成功に終わらせるために今後必要な事項を処理していくのに何ら問題は無いということです」と交渉が順調に進んでいることを明かした。

 カペッロ氏は現地13日、イタリア・ミラノ市内の自宅で代表監督就任の正式な確認を待ち受けながら一日を過ごした。さらに詰められることとなる詳細については特に新監督下におけるコーチ・スタッフ陣などの人選などが考えられている。カペッロ氏はFAと年俸400万ポンド(約9億1800万円)以上の契約を2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)まで結んだと見られ、本大会出場権獲得とそこでの結果によっては契約延長のオプションもある。

 伝えられるところによると、カペッロ氏は自身のアシスタントを長年務めていたフランコ・バルディーニ(Franco Baldini)氏のコーチ陣入りを望んでいるものの、FA側は現在フットボールディレクターを務めるトレバー・ブルッキング(Trevor Brooking)氏とバルディーニ氏がどのようにかみ合わさっていくのかに懸念を示している。それでも、バルディーニ氏は自身が関与することで交渉が難航することは無いのではないかと疑問を示唆している。

 イングランド代表新監督の本命とされていたものの10日に就任を辞退し、クラブサッカーへの道を選んだジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏に対して、カペッロ氏はすでにクラブチームで掴むことのできる殆どのタイトルを獲得しており、年齢的にも日々選手たちと接することを必要としなくなっている。それでもカペッロ氏のサッカーへの情熱は減ることなく残っており、スティーヴ・マクラーレン(Steve McClaren)前監督解任後にはイングランド代表監督への就任に対し「素晴らしい挑戦」と語り興味を示していた。

 カペッロ氏に対してはイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を指揮するアレックス・ファーガソン監督(Alex Ferguson)、アーセナル(Arsenal)を率いるアーセン・ベンゲル監督(Arsene Wenger)に加え、2001年から2006年までイングランド代表初の外国人監督を務め、現在はマンチェスター・シティ(Manchester City)指揮を執るスベン・ゴラン・エリクソン監督(Sven-Goran Eriksson)も就任を支持している。

 エリクソン監督は代表監督に掛かる容赦ないプレッシャーを十分に心得ているが、カペッロ氏について「彼は人間としても監督としても素晴らしい。彼の経歴が全てを物語っている。イタリアでは多くのタイトルを勝ち取っているし、今探し出せる最高の監督の一人だ」とし、同氏がスポットライトの下でも成功するだけの力量があると自信を持って語った。

 また、カペッロ政権下のACミラン(AC Milan)でキャプテンを務めたこともある元フランス代表のマルセル・デザイー(Marcel Desailly)氏も「彼はプロフェッショナルであり要求が高い。ただそれはイングランドの選手の必要としていることだと思う。彼は任務の為にチームを突き上げていくだろうが、それは利益となるものだ」と、チームにとっても選手個人にとっても最高の能力を持った監督であると自身の経験から語った。(c)AFP