【11月13日 AFP】イランのセパハン(Sepahan)とのAFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League)決勝の第2戦を14日に控える日本の浦和レッドダイヤモンズ(Urawa Red Diamonds)は、故障者の続出する苦境を打開しタイトルのかかる大一番で歴史に名を刻むことを誓っている。

 両チームは2003年に大会が現行の形式に拡大されて以来、自国史上初となるアジア王者のタイトル獲得を目指している。

 敵地イスファハン(Isfahan)で行われた第1戦に1-1で引き分けている浦和レッズは、Jリーグ2連覇に向けて秒読み段階となった11日のリーグ戦で更なる故障者を抱える結果となったが、ホルガー・オジェック(Holger Osieck)監督は「このような大きな大会の決勝でピッチに立つということは単なるチャンスではない。選手がこの大舞台で限界までプレーしてくれることを確信している」と述べ、クラブ史上最大の舞台への準備は整っていると意気込みを語った。

 11日に行われた川崎フロンターレ(Kawasaki Frontale)戦を1-1で引き分けた浦和レッズは、残り3試合を残して2位ガンバ大阪(Gamba Osaka)に勝ち点5差をつけて首位の座を維持したが、この試合で大きな代償を支払うこととなった。

 10月に鼻を骨折しその後のリーグ戦やセパハンとの第1戦ではフェイスガードを着用してプレーしているワシントン(Washington)は、この試合で同じ箇所に肘打ちを受け、また阿部勇樹(Yuki Abe)は腰をを痛め途中交代し、さらに永井雄一郎(Yuichiro Nagai)はでん部を痛めた。

 オジェック監督は「3人のうちワシントンは同じ箇所ということでメンタル面も含めて対処する必要があるかもしれないが、14日の試合はタイトルがかかっている。彼らがあらゆる力を結集させて準備を整えてくれると信じている」と語っている。

 新たに故障者を抱えることとなったが、浦和レッズのサポーターは負傷で第1戦を欠場した田中マルクス闘莉王(Marcus Tulio Tanaka)がフロンターレ戦で復帰したことに勇気づけられており、闘莉王は「コンディションと試合でどのような感触を得られるのかの2点を心配していたが、90分間プレーしてみて安心した」と語っている。

 一方、有力クラブを倒して決勝に駒を進めるなど大会にサプライズを提供しているセパハンは、第1戦でアウェーゴールを奪われて引き分けたことで第2戦ではスコアレスドロー(0-0)でも敗れるが、浦和レッズと同様に歴史的な偉業を成し遂げることに興奮を隠せずにいる。

 セパハンのルカ・ボナチッチ(Luka Bonacic)監督は「最初の90分は終わり、残りの90分をただ待っている」と語り、戦いはまだ終わっていないことを強調している。

 第1戦は前半終了間際にロブソン・ポンテ(Robson Ponte)がミドルシュートを決めて浦和レッズが先制したが、セパハンは後半開始直後にイラン・プレミアリーグの得点王マフムード・カリミ(Mahmoud Karimi)がゴールを決めて同点に追いついている。

 第1戦を振り返ったボナチッチ監督は「我々は多くの決定機を作ることはできなかったが、浦和は町のチームではない。彼らは強いが同様に我々も決定機を与えなかった。作り出したチャンスにはかなり満足している」と語っている。

 大会初出場の浦和レッズは、2006年大会の王者である全北現代(Jeonbuk Motors、韓国)を準々決勝で2試合合計4-1で降すなど、今大会4勝7分けで無敗を誇っている。(c)AFP/Shigemi Sato