【9月14日 AFP】女子サッカー07W杯・グループDの初戦で中国に2-3で敗れたデンマーク代表が、試合前日に滞在先の武漢市内のホテルで不審な男性2人組を目撃したとして警察と国際サッカー連盟(FIFA)に連絡していたことが明らかになった。

 チームの女性広報担当者であるPia Schou Nielsenさんは、「鏡のある会議室で戦術に関する話し合いをしていたの。その最中に冗談のつもりで鏡の後ろを覗いたら、カメラを持った2人の男性を発見したわ。彼らは出てくるのを拒否したから、警察とホテルの管理者を呼んで連行してもらったのよ」と話した。彼女は2人が誰なのかわからないと語ったが、中国人に見えたとしている。

 一方、スパイ疑惑の目が向けられた中国代表だが、中国・サッカー協会(Chinese Football Association)の関係者は、「今回の件について我々は話を聞き調査を行ったが、そのようなこと(スパイ行為)はなかったことが明らかになっている」とスパイ疑惑については強く否定している。

 デンマーク代表にとって、中国代表のスパイ疑惑が浮上したのは今回で2件目であり、10日には非公開練習にも関わらず、練習場近くのビルから男性がカメラを向けていることがNielsenさんの証言によって明らかになっている。

 このような一連の流れから、12日の試合後にはデンマーク代表のアシスタントコーチが中国側に中指を立てて罵倒。中国側もこれに反応し、言い争いが起こっている。

 FIFAの広報担当者であるNicolas Maingot氏はこの出来事に気づいていなかったが、Nielsenさんは両チームが興奮状態になっていたことを認め、「試合後に苛立ちが募っていたのは確か。中指を立てたことや罵ったことは聞いていないけど、お互いの指揮官に苛立ちはあったわ」と話しており、両チームの監督は試合後に握手を交わすこともなく、ピッチを後にしている。

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