【8月10日 AFP】MLS、ロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)に所属するデビッド・ベッカム(David Beckham)は、現地9日に行われたD.C.ユナイテッド(D.C. United)戦、1点ビハインドで迎えた後半27分から途中出場し、MLSデビューを飾った。

 試合後にベッカムは、「敗戦には失望している。ただ我々は次の試合を楽しみにしている。我々はD.C.ユナイテッドが何を出来るかを知っていたし、前線が強力なことも分かっていた。D.C.ユナイテッドは先制点を奪い、守りを固めて試合を支配した。我々も終了間際に何度かチャンスを作ったが決めきれなかった」と険しい表情で語った。

 左足首の状態が100パーセントからほど遠いにも関わらず、ベッカムは前半終了10分前からウォーミングアップを開始。足首の状態に関してベッカムは、「今夜は足首の状態はだいぶ良く感じられた。また8週間の間ほとんど何も運動が出来ない状態だったので、プレーするのは難しかった。それでもピッチに戻ってくることが出来てとても嬉しい」と話した。
 
 ベッカムがサイドラインでウォーミングアップを始めると、カメラのフラッシュが一斉にたかれ、RFKスタジアム(RFK Stadium)に集まった4万6千686人の観衆は立ち上がり、スタジアムはベッカムのMLSデビューへの期待に包まれた。そして迎えた後半27分、観衆の望みは叶えられる事になった。

 7月のド派手な入団会見からベッカムがギャラクシーの一員として試合に出場したのは7月21日のチェルシー(Chelsea)との親善試合で後半33分から僅か12分間プレーしたのみだった。その時を除いてベッカムはピッチの外で試合を眺めるばかりで、治療の為にチームメイトと満足に練習さえしていなかった。

 しかしベッカムが怪我で苦しんでいる間もサッカー・ファンとセレブリティたちの間ではギャラクシーの試合のチケットは飛ぶように売れていて、ベッカムが遠征に帯同したものの結局出場しなかった5日のトロントFC(Toronto FC)戦のチケットは完売だった。

 ベッカムが出場したにも関わらず、この日の試合はD.C.ユナイテッドのルシアーノ・エミリオ(Luciano Emilio)の得点でギャラクシーが0-1と敗戦。ギャラクシーは2007シーズンは14試合を消化して3勝5引き分け6敗となっている。しかしチームの調子が今後上昇していくのかと尋ねられたベッカムは、「我々は次の試合を楽しみにしていて、練習に励まなければならない。我々は今までの過程を大切にしていかなければならないし、それを実践しなくてはいけない。チームには多くの才能溢れる選手が集まっているので、それが間もなくピッチの上で反映され、人々に証明されるだろう」と語りチームの上昇に自信を覗かせた。

 ギャラクシーは12日にニューイングランド・レボリューション(New England Revolution)との対戦を控えており、この試合は9月8日に控える欧州選手権2008(Euro 2008)・予選のイスラエル戦にベッカムを招集するか否かを判断する為にイングランド代表のスティーヴ・マクラーレン(Steve McClaren)監督が視察に訪れる予定。マクラーレン監督は同時にMLSのサッカーのクオリティーもその目で確かめる予定になっている。(c)AFP