【7月31日 AFP】スコットランド・プレミアリーグの開幕を8月4日に控え、日本代表のMF中村俊輔(Shunsuke Nakamura)が所属するセルティック(Celtic)は、リーグ3連覇はもちろん、サポーターからは欧州の舞台での成功が大きく期待されている。

 2006-2007シーズンにリーグとスコットランドリーグ・カップ(CIS Insurance Cup)の二冠を達成したセルティックは、欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)では欧州チャンピオンズカップ(UEFA Champions Cup)から同大会名に名称変更後チーム史上初となる決勝トーナメント進出を果たしている。

 決勝トーナメント1回戦で欧州王者に輝いたACミラン(AC Milan)に2試合合計0-1で惜敗したが、セルティックのサポーターは最低でも決勝トーナメント1回戦以上の成績を2007-08シーズンでも収めることを求めている。

 06-07シーズン大会で中村は、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)との2試合でフリーキックから得点を決めるなど、チームのグループリーグ突破に大きく貢献しており、07-08シーズン大会のセルティックの命運は同選手の左足から放たれるフリーキックが握っていると言えそうだ。

 中村は06-07シーズン終了後にセルティックとの契約を2009年まで延長しているが、クラブ側は同選手を高く評価しており、ピーター・ローウェル(Peter Lawwell)CEO(最高経営責任者)は、既に代理人のロベルト佃(Roberto Takuda)氏と更なる契約延長に関して話し合っている。

 中盤で主に守備的な役割を担い主将を務めていたニール・レノン(Neil Lennon)が06-07シーズン終了後に退団したセルティックは、レノンの代役としてハイバーニアン(Hibernian)からスコットランド代表のスコット・ブラウン(Scott Brown)を、ミランからマッシモ・ドナーティ(Massimo Donati)を獲得するなど、着実にチームを補強した。しかし、レノンを放出してより攻撃面で期待できるブラウンとドナーティを獲得したことにより、07-08シーズンはチームのプレースタイル自体を転換することが予想されている。

また、カップ戦を含めチーム最多のシーズン18得点を挙げたオランダ代表のFWヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンク(Jan Vennegoor Of Hesselink)のパートナー候補としてマザーウェル(Motherwell)からオーストラリア代表のスコット・マクドナルド(Scott McDonald)と、ハイバーニアンからニュージーランド代表のクリス・キレン(Chris Killen)を獲得しており、既に所属するマチエイ・ズラブスキー(Maciej Zurawski)とケニー・ミラー(Kenny Miller)らが熾烈なポジション争いを繰り広げることになる。

 中心選手の放出をレノン一人に抑えたセルティックは、2連覇を果たしている過去2シーズンのチームより確実に戦力を増しているものの、ここ2シーズン無冠に終わっているグラスゴー・レンジャーズ(Glasgow Rangers)のウォルター・スミス(Walter Smith)監督が2004-05シーズン以来のリーグ制覇へ強い意気込みを見せており、2007-2008シーズンもセルティックとレンジャーズの2強がタイトルを争うことになりそうだ。

(c)AFP/Martin Stirling