【7月2日 AFP】7月7日から29日の日程で開催されるサッカー第14回アジアカップ(Asian Cup)に初参戦するオーストラリア代表は、全力で意義ある優勝を目指し、欧州で活躍する選手を招集した。

 他の参加国が怪我人などで苦しむ中、サッカルーズ(Socceroos、オーストラリア代表の愛称)は、キャプテンのマーク・ビドゥカ(Mark Viduka)をはじめ、ハリー・キューウェル(Harry Kewell)、ティム・カーヒル(Tim Cahill)、ルーカス・ニール(Lucas Neill)、ビンチェンツォ・グレッラ(Vincenzo Grella)、GKマーク・シュワルツァー(Mark Schwarzer)、ジョン・アロイージ(John Aloisi)ら主力選手を欠くことはないだろう。

 オーストラリア代表は、国際サッカー連盟(FIFA)の世界ランキングでは48位(7月2日現在)と、アジア勢トップで40位につける日本や、47位のイランに後塵を拝しているが、06サッカーW杯では、日本を3-1の逆転で降し、ブラジルには0-2で敗れたもののクロアチアとは2-2の引き分けに持ち込み、ベスト16にまで進出した。決勝トーナメント1回戦ではその後優勝を果たしたイタリアに試合終了間際にPKを決められてドイツを後にした。

 2006年にオセアニアサッカー連盟(OFC)からアジア・サッカー連盟(AFC)へ加盟を移したオーストラリア代表にとって初めてのビッグトーナメントだが、グレアム・アーノルド(Graham Arnold)監督は「準決勝に進めば合格だが、自らに失敗すれば決勝までの道は開けないと言い聞かせるつもり」と大会に向けての抱負を語るなど、目標設定は高い。それでも、彼らが7月30日に決勝の地であるジャカルタからトロフィーと共に帰国することに対し強気でいるのには理由がある。

 2軍選手で臨んだ3月の中国戦を2-0で勝利、続くウルグアイとの親善試合では1-2で落としたものの、1日に大会前最後の練習試合でシンガポールを3-0で降し調子を上げてきている。

 アーノルド監督は既に合宿をシンガポールで進め、チームを東南アジアの暑さに順応させている。メンバーは、大会後の代表引退を表明したビドゥカ、06W杯後に成長を見せイタリア・セリエAのトリノ(Torino FC)で活躍するグレッラや、同じくセリエAのパレルモ(US Citta di Palermo)に所属するマルコ・ブレッシアーノ(Marco Bresciano)、06W杯予選で見事なセーブを見せ英雄になったGKシュワルツァーら海外でプレーする選手に加え、国内のAリーグで活躍するニック・カール(Nick Carle)、デビッド・カーニー(David Carney)、アーチー・トンプソン(Archie Thompson)らを揃え、さらには怪我で長い間離脱していたキューウェルやカーヒルも本大会に間に合いそうだ。

 アーノルド監督は、「我々を本命に押して欲しい、それだけの実力はあるはずだ。W杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の予選に向けて良いテストになるだろうし、ベスト4には入らなければならない。オーストラリアサッカー協会(FFA)の事務所を毎日歩いていたんだが、まだトロフィーがないんだ。だから、今回がそこにトロフィーを置くための良い機会になりそうだ」と優勝に自信を覗かせた。(c)AFP/ROBERT SMITH