【6月21日 AFP】サッカー・日本代表のイビチャ・オシム(Ivica Osim)監督が外国人記者クラブで行われた記者会見に出席し、3連覇を目指し臨む第14回アジアカップ(Asian Cup)でアジア・サッカー連盟(Asian Football Confederation:AFC)へ新たに加盟したフィジカルの強いオーストラリアと、永年のライバル韓国との対決では、選手のサイズは勝負に関係ないと語ったったものの、Jリーグが6月30日まで試合が行われる事でアジアカップの準備期間が短くなる事に対して今回も不満を口にした。

 オシム監督は「大きくフィジカルの強い選手に対する問題についての答えは簡単なものです。重要なことは、こちらには機動力のある選手がいるということ。小さくても常に動き回る選手、積極的で素早くて、速く走る選手たちがいますから。過去を振り返ると、日本チームというのは模倣の傾向にありました。ですから日本による日本のための道を見つけ出さなければなりません」と語った。日本が06サッカーW杯を1分2敗としたのは、フィジカルの欠如が理由とも言われている。しかし、06サッカーW杯後に指揮を執り始めたオシム監督は、ジーコ(Zico)前監督には招集されなかった田中マルクス闘莉王(Marcus Tulio Tanaka)など身長の高い選手が何人も存在していると言及している。

 また、オセアニアサッカー連盟(Oceania Football Confederation:OFC)からAFCに移ってきたオーストラリアについては、「アジアのサッカー界にとって、異なるスタイルのチームが参加することは好ましいことです。特にオーストラリアは、多くの国に多くの選手たちが散らばっていますから。勿論、優勝するための争いは更に厳しくなるでしょうから、より面白いサッカーが期待できます」と語るも、「どのチームも日本との対戦ではモチベーションが上がるでしょう。日本を負かしたいでしょうから。ただ、私が懸念しているのは、選手たちがアジアカップ開幕に際してモチベーションを高めていく為の時間がないということです」と、今回の記者会見でもJリーグ開催に影響を受ける日本選手の準備期間不足への不満をもらした。

 また、アジアのサッカー界についてオシム監督は「まだまだ伸びる余地はありますし、発達速度も素晴らしく速い。アジア経済同様にサッカーレベルも急上昇するでしょう。勿論それは投資の量にもよりますが、これからの数年の間にアジアが欧州や南米にもし肩を並べるような存在になったとしても、何ら不思議なことではありません」と語った。(c)AFP