【5月21日 AFP】イタリア・セリエAは2012-13シーズンの全日程が終了し、不本意な成績に終わった強豪インテル(Inter Milan)は予期せぬ展開に見舞われたとはいえ、今季最大の敗者としての烙印を押された。

 シーズン開幕から主導権を握ったユベントス(Juventus)が、下馬評通りの独走態勢で通算29度目となる連覇を達成し、2位に入ったナポリ(SSC Napoli)と共に来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2013-14)出場権を確保した。

 チャンピオンズリーグ本戦前のプレーオフ進出をかけた3位には、フィオレンティーナ(Fiorentina)を振り切ったACミラン(AC Milan)が入った。

 一方でインテルは、ディエゴ・ミリート(Diego Milito)、ロドリゴ・パラシオ(Rodrigo Palacio)、長友佑都(Yuto Nagatomo)といった主力に故障者が続出し、今月初めには来季の欧州カップ戦出場権獲得の望みが断たれていた。

 19日に本拠地スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(Stadio Giuseppe Meazza)で行われた最終節ではクルバ・ノルド(Curva Nord、北側スタンド)に陣取ったインテルサポーターが「クラブに本気の計画性を求める。こんなシーズンを来年も繰り返したら許さない」と書かれた横断幕を掲げ、募る不満を噴出させた。

 メッセージは明確なものだが、そのためには時間を要する。2009-10シーズンには当時指揮していたジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の下で欧州チャンピオンズリーグ王者となったインテルも、今季は首位と勝ち点33差の9位に沈んでいる。

 開幕当初、首位争いを演じていたインテル率いるアンドレア・ストラマッチョーニ(Andrea Stramaccioni)監督は歯に衣着せぬ発言が目立ち、モウリーニョ監督のそれとしばしば比較されることもあった。

 37歳という若さで監督1級ライセンスを正式に取得していないストラマッチョーニ監督は、クラブのマッシモ・モラッティ(Massimo Moratti)会長の後ろ盾に支えられているとの見方が強い。

 もし来季も指揮官として続投するのであれば、サポーターは一段と安定感のある成績を求めてくることは明らかだが、ストラマッチョーニ監督はチームの復活に自信を見せた。

「モラッティ会長はクラブの立て直しに向けて明確なプランを持っている。明日にでも着手するだろう。今何より重要なことは、あらゆる事態に見舞われた負のシーズンを追いやって、新たなページをめくることだ」

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