【7月7日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)が6日、2009-10シーズンに向けてクラブの練習施設ミラネッロ(Milanello)で始動した。しかし、初練習では歓声よりも野次が響いていた。

 300人ほどのウルトラス(熱烈なサポーター)が練習場を囲んでクラブの上層部を批判する歌を歌いながら爆竹や発炎筒に火をつけて抗議活動を行ったため、選手たちの耳には野次が響いていた。

 スター選手だったカカ(Kaka)をスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に売却した一方で、6500万ユーロ(約89億円)の移籍金を手にしたクラブがこれまで大型補強をしていないこともあり、サポーターは怒りを覚えている。

 しかし、アドリアーノ・ ガッリアーニ(Adriano Galliani)副会長は、クラブがこれまで勝ち得てきたものでファンは幸せなはずだと反論した。

 記者会見で新キャプテンにマッシモ・アンブロジーニ(Massimo Ambrosini)を指名したことを明らかにしたガッリアーニ会長は、その席上で「欧州でも世界でもミランほどタイトルを獲得したチームはない。人生では抗議することは許されているのだから、一部の人間が抗議をするのは普通のことだ。シーズンチケットの売れ行きは昨年に比べてたった20%しか減少していない。つまり、80%のファンが我々についている」と語っている。

 ミランは過去5シーズン、06-07シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)、07年のクラブW杯(FIFA Club World Cup Japan 2007)、08年のUEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup)を制したのみで、より多くのタイトル獲得を望んでいるファンをなだめるには至っていない。

 ファンが掲げたバナーには「妥協するな。ミランのことを先に考えろ。自分の利益はその後だ」と記されたものがあり、オーナーを務めるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)伊首相が過去数年チームに投資をしていないことにも触れられていた。

 ミランは08-09シーズン、優勝したライバルチームのインテル(Inter Milan)と勝ち点差10で3位に終わっている。(c)AFP