【4月8日 AFP】イタリア・セリエA、インテル（Inter Milan）のアドリアーノ（Adriano）の元恋人が7日、同選手が自身との別れによるうつ状態で故郷のスラム街から連れ出されたと語った。

　アドリアーノは、前週行われた2010年サッカーW杯南アフリカ大会（2010 World Cup）南米予選後に音信不通となり、その行方と健康状態は大きな憶測を呼んでいた。

　インテルはトラブルの多い27歳の同選手との連絡が途絶え、同選手の不在は誘拐やドラッグ問題をはじめ様々なうわさにつながっていた。

　アドリアーノの代理人を務めるジルマール（Gilmar Luis Rinaldi）氏は、それらの憶測を否定しているが、地元紙にはアドリアーノが「深刻な」問題を抱えており、同選手がイタリアに帰る前に問題解決を望んでいることを認めている。

　アドリアーノの元恋人は、7日のオ・ディア（O Dia）紙のインタビューで、同選手の周囲のミステリーについて語った。

　元恋人は、アドリアーノがリオデジャネイロ（Rio de Janeiro）で最も治安の悪い地域の1つで、生まれ育ったスラム街のヴィラ・クルゼイロ（Vila Cruzeiro）で友人と数日を過ごしたと語っている。

　元恋人は「アドリアーノがくつろげるのはヴィラ・クルゼイロだけ。彼はたこ揚げやはだしで歩くのが好きなの。そこでは（アドリアーノの愛称である）皇帝（The Emperor）の役を演じなくていいのよ。アドリアーノは完全に自分を見失っているけど、私にはもう彼と付き合う力がないの」と話し、別れた理由はアドリアーノの度を越えた嫉妬が原因だと明らかにしている。

　また元恋人は、アドリアーノは子供のころから知っている麻薬の売人と会ったが、「彼の唯一の麻薬はビール」と語り、アドリアーノ自身が麻薬の使用者だということをきっぱりと否定している。

　同選手をめぐる懸念により、ブラジルサッカー連盟（Confederacao Brasileira de Futebol、CBF）は、アドリアーノは自宅で親族と一緒に過ごしているという声明を発表する事態に至っている。(c)AFP