【1月15日 AFP】イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)を率いるカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は14日、ロナウド(Ronaldo)やアレシャンドレ・パト(Alexandre Pato)の活躍で快勝した13日のナポリ(Napoli)戦の結果を踏まえ、スペイン・リーガエスパニョーラ1部のFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するブラジル代表のロナウジーニョ(Ronaldinho)の獲得に動くことはないことを明らかにした。

 ロナウドが2得点を挙げ、パトがデビュー戦で初ゴールを記録したナポリ戦でミランは、開幕から続いていたリーグ戦のホーム開催試合での未勝利に終止符を打っている。

 ロナウドとパトとカカ(Kaka)のブラジル人トリオを前線に並べる自慢の攻撃陣を初披露したアンチェロッティ監督は、ロナウジーニョ獲得について「ノーだ。ロナウジーニョは来ない。我々はこの青年(パト)のポテンシャルに多額を投資している」と語り、4人目の攻撃的なブラジル人選手は必要ないことを強調しており、また「同時に我々はロナウドが再び完全にフィットすることを望んでいる。現時点で彼の状態は50%にも満たないが、彼の計り知れない才能があればこのハンディキャップを乗り越えられる」と語っている。

 ロナウドの復活はあったが、ナポリ戦でアンチェロッティ監督を最も喜ばせたのはパトのパフォーマンスだった。

 18歳のパトは最初に受けたパスのコントロールを誤り、相次いで訪れたゴールキーパーとの一対一のチャンスを逃すなど前半は多少ナーバスになっているようにも見受けられたが、下を向くのではなく次第にゲームに溶け込み後半29分にはゴールを記録し素晴らしいデビューを飾り、実際にはハットトリックを簡単に達成してもおかしくはない内容だった。

 アンチェロッティ監督はパトと自身のセリエAデビューを比較し「私の場合は全く冷静ではなかったと言わざるを得ない。不安で感情的にもなったが、パトにその兆候は見られなかった。その様子は学校でテストの席に座っている光景を思い出させた。準備ができていれば冷静で穏やかでいられるものだ。パトは素晴らしい能力を持っていて自分で何ができるのかを知っている。私には能力が不足していたのでなおさら不安だった」と語っている。

 夢のようなスタートを切ったが、アンチェロッティ監督は攻撃陣に豊富な人材を抱えていることからパトはしばらくベンチで多くの時間を過ごすことが予想されている。

 ベテランのフィリッポ・インザーギ(Filippo Inzaghi)は故障中で、イタリア代表のアルベルト・ジラルディーノ(Alberto Gilardino)はシーズンの大半をベンチで送っているが、アンチェロッティ監督はこの状況がいつまでも続かないだろうとしており「全てのビッグクラブは我々と同様に多くの選手を擁している。1月の間は実質的に3日に1試合をこなすので選手のローテーションが重要になる。大切なのは試合数ではなく質だ。ロナウドのプレーを常に期待することはできない。ジラルディーノは選手として適齢期を迎えており、疲労もないので今後の試合で重要な存在になるだろう」と、ジラルディーノの復調に期待を寄せた。

 また、アンチェロッティ監督はパトを加え高齢化が指摘されていたチームに若い血を注入したことに満足しているが「チームの根幹を成すのは適齢期の選手だ。アレッサンドロ・ネスタ(Alessandro Nesta)、カハ・カラゼ(Kakha Kaladze)、アンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)、ジェンナロ・ガットゥーゾ(Gennaro Gattuso)は28歳から29歳だ(ネスタは31歳、ガットゥーゾは30歳)。彼らは多くの経験を積んでいる。パトやヨアン・グルクフ(Yoann Gourcuff)ら若い選手もいる。2008シーズンは重要な数選手を失うことになるだろう(パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)は2007-08シーズン終了後の引退を表明)。それでもチームの骨格は変わらない」と語っている。(c)AFP