【6月21日 AFP】サッカー、イタリア・セリエA。2005-06シーズン前に提出した会計報告書に不正経理があったとして取り調べを受けているインテル(Inter Milan)だが、同シーズンのスクデット(リーグタイトル)を剥奪される可能性は低いものと見られている。

 インテルとACミラン(AC Milan)は、2003年から2005年にかけて両チーム間でトレードする控え選手の価値を不当に高くし、そこで得た税上の利益によって年次会計を改善し、クラブの財政状況をより良い状態に見せていたとして取調べを受けている。

 調査により不正経理が認められてとしても、イタリアの法律ではこの行為はスポーツ上の違法行為ではなく管理上の犯罪とみなされることから、インテルがユベントス(Juventus)の八百長疑惑により獲得した同年のスクデットの剥奪や、勝ち点減点のペナルティが課される見通しは低いとされているが、イタリアのスポーツ紙「ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)」は、同紙のウェブサイト上で不正経理が認められた場合、インテルは重い罰金を課せられることになると伝えている。

 また、イタリアサッカー連盟(FIGC)のクラブ財政監督委員会であるCOVISOCの広報担当者は20日、イタリアのANSA通信に対し「もし不正に上げた利益を計上していなかったら、インテルは05-06シーズンのリーグ登録に必要とされる財政条件を満たしていなかっただろう」と語っているが、インテルのマッシモ・モラッティ(Massimo Moratti)会長は「財政状態は健全であり調査されても何の心配もしていないが、問題は我々にはこの疑いを晴らすような明確な証拠が無いことだ」とCOVISOCの主張を否定している。

 なお、モラッティ会長は選手の市場価格については「ミスを犯さないように注意深く行動しているが、移籍市場において選手の価値は把握し難いのも事実。今日500万ユーロの価値がある選手が1か月以内で1200万ユーロにもゼロにもなり得る」と語り、その決定の困難さを認めている。

 イタリアの全てのプロクラブは、シーズン開幕前にCOVISOCに会計報告書を提出して監査を受ける義務を負っており、リーグ戦に参戦するためには財政状況が健全性が保障されていなければならない。(c)AFP