【6月5日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)で今季チームをトレブル(3冠)に導いたユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)監督が4日、自身の今後について明らかにし、退任後は休養を取る意向を示した。

 バイエルンは1日のドイツカップ2012-13(German Cup 2012-13)決勝で、VfBシュツットガルト(VfB Stuttgart)を3-2で下し、ブンデスリーガのクラブとしては初となる欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)、リーグ戦とのシーズン3冠を達成した。

 ハインケス監督の後任として、FCバルセロナ(FC Barcelona)の元監督であるジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏がバイエルンの指揮を執る。

 グアルディオラ氏が26日に初めてチームの練習を指揮する一方で、30日に契約が満了となる68歳のハインケス監督は、与えられて当然とも言うべき休養を取る考えに心を引かれている。

 45分にも及んだ記者会見で、ハインケス監督は「まず最初に1日は休暇を取らせてもらう。ドイツ国内でも国外でも、7月1日から指揮を執るつもりはない。その後のことはそれから改めて考える」とコメントした。

「妻には2012年のチャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2011-12)決勝で敗れた後、バイエルンとの契約はまっとうするが、その後は続けないと言った」

「前のシーズンが終わってから今季に入るまでは、1日も休みが取れなかった。ここ何週間かは年齢による衰えを感じている。回復に時間がかかるようになったんだ。限界に来ていると思う」

「バイエルンの監督はあらゆることに気を遣わなくてはならない。完璧主義者のようになることが求められるんだ。私はそれをこなしてきた」

 2日にミュンヘン(Munich)市内で行われたバイエルンの祝勝パレードには、約1万人のファンが集まったが、ハインケス監督は、バイエルンが25個もの記録を残した今シーズンについて、決して忘れることはないだろうと目に涙を浮かべてコメントした。

「ひどい天気の中、あれほど多くのファンがパレードに集まってくれたことには我々全員が大きな感銘を受けたし、忘れることはないだろう。選手とクラブ、そしてバイエルン・ミュンヘンを支えるすべての人々に言いたい。私は心から幸せだ」

 1963年にボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)から19歳で選手デビューを果たし、今回でバイエルンでの3度目の指揮を終えるハインケス監督のキャリアは、半世紀に及ぶ。

 ハインケス監督はまた、スペイン・1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)から、イングランド・プレミアリーグ、チェルシー(Chelsea)への復帰が決まったジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の後任として打診を受けたことも認めた。ハインケス監督はかつてレアルで指揮を執り、1997-98シーズンには欧州チャンピオンズリーグのタイトルを獲得している。

「こういうシーズンを送れば、他のチームから興味を持たれるのは自然なことだ。レアル・マドリードなど、ビッグクラブからも幾つか誘いがあった。高い報酬と、素晴らしい天気とともにね」

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