【5月12日 AFP】サッカー、ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)を率いるユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は11日、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)とのドイツカップ2011-12(German Cup 2011-12)決勝で、チームの歴史を塗り替えることを心待ちにしていると語った。

 決勝会場となるベルリン(Berlin)のオリンピアシュタディオン(Olympiastadion)で記者会見に臨んだクロップ監督は、「ドイツカップ決勝は、私にとってブンデスリーガの『ウェンブリー(英国サッカー界の聖地でFAカップ(FA Cup)の決勝戦開催地)』であり、夢の舞台だった。私たちは最高のパフォーマンスを披露するよ」と語った。  続けてクロップ監督は、「ここで最高のドイツサッカーをお見せしなければならない。スポーツ界の最高の試合を誰も見逃したくはないはずだ」と語っている。

 ドルトムントはクラブ創設103年目にして初めてとなるブンデスリーガ1部とドイツカップの2冠達成を狙っている。

 ドイツカップの決勝は世界150か国で放映され、観戦チケットは完売しているため、クロップ監督がイングランドのFAカップ決勝を引き合いに出したのは自然の流れと言える。

■タイトル獲得へ意欲を見せるバイエルン

 2011-12シーズンのドルトムントは、ブンデスリーガ2連覇を達成し、28試合連続無敗とシーズン最多勝ち点81のリーグ記録を打ち立てた。

 しかし、欧州チャンピオンズリーグ2011-12(UEFA Champions League 2011-12)で決勝進出を果たしているバイエルンは、2010年2月に白星を挙げたのを最後に4連敗を喫しているドルトムント戦での勝利に意欲を見せている。

 バイエルンのユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)監督は、「4回も負ければ十分だ。欲しいのはトロフィーだ」とコメントした。

 バイエルンは、19日に本拠地フスバル・アレナ・ミュンヘン(Fussball Arena Muenchen)で行われるチェルシー(Chelsea)との欧州チャンピオンズリーグ決勝戦を控えており、ハインケス監督はドイツカップに集中することは容易ではないと認めている。

 しかし、バイエルンにとってドルトムントに敗れることはチャンピオンズリーグ決勝を前に自信を喪失する可能性があり、記者会見で笑みを浮かべるドルトムント主将のセバスチャン・ケール(Sebastian Kehl)とクロップ監督とは対照的に、バイエルンの主将フィリップ・ラーム(Philipp Lahm)とハインケス監督は厳しい表情を見せていた。

 この10日間でバイエルンが1つもトロフィーを獲得することができなければ、1994-95、95-96シーズン以来の2シーズン連続無冠に終わる。

 ラームは「僕たちはタイトルが欲しい。バイエルンが何も勝ち取れなければ、それは最悪のシーズンだ」と語った。(c)AFP/Ryland James