【11月12日 AFP】サッカードイツ代表ロベルト・エンケ(Robert Enke)の訃報は、ファンに衝撃を与え、フットボール界に暗影を投じた。

 警察当局は、エンケが10日午後6時前にハノーバー(Hanover)近郊ノイシュタット・アム・リューベンベルゲ(Neustadt am Rubenberge)の踏み切りで列車に飛び込み自殺したことを発表した。32歳だった。

 踏み切りの近くからは同選手の車が見つかった。また、発見場所は明らかされていないが、当局は遺書が見つかったことを認めている。

 訃報を受け、ドイツ代表が14日に予定していたチリとの国際親善試合は中止が決まった。

 エンケの主治医は11日、同選手がうつ病で苦しんでいたことを明かした。主治医によると、同選手は当時所属していたスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)から期限付きでトルコ1部リーグのフェネルバフチェ(Fenerbahce)に移籍した2003年から治療を受けていたという。

 エンケは02–03年シーズンにFCバルセロナへ移籍したが、リーグ戦に出場したのはわずか1試合と出場機会に恵まれず、03年に期限付きでフェネルバフチェへ移籍した。

 フェネルバフチェに移籍したエンケは、0-3で試合に敗れ、ファンからボトルを投げつけられたイスタンブールスポル(Istanbulspor AS)とのダービーマッチ後にクラブを退団し、精神科治療を受けるため03年8月にスペインへ戻った。

 エンケは2004年、ドイツのハノーバー96(Hannover 96)に入団。その後、欧州選手権2008(Euro 2008)では代表チームの正ゴールキーパー(GK)イェンス・レーマン(Jens Lehmann)の控え選手を務め、レーマンの代表引退後は正ゴールキーパーとなった。また08–09シーズンにはリーグの最優秀ゴールキーパーに選出されていた。(c)AFP/Ryland James