【5月21日 AFP】11-12フランス・リーグ1は20日、最終第38節の試合が各地で行われ、モンペリエ(Montpellier HSC)は2-1でオセール(AJ Auxerre)に勝利し、クラブ史上初のリーグ優勝を果たした。

 10-11シーズンでは14位に終わっていたモンペリエは、2位パリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)に勝ち点差3をつけて1989-90シーズンのフランス杯(French Cup)以来のタイトルを獲得した。

■モンペリエが2度の中断にも打ち勝ちタイトル獲得

 引き分け以上でリーグ制覇が決まるモンペリエは、敵地スタッド・アッベ・デシャン(Stade de l'Abbe-Deschamps)で前半20分にオセールのオリビエ・カポ(Olivier Kapo)に先制点を許した。しかし同32分にスレイマネ・カマラ(Souleymane Camara)のアシストからジョン・ウタカ(John Utaka)が得点を挙げ、同点で前半を折り返した。

 しかし後半開始直後、降格が決定している最下位オセールのサポーターがテニスボールやトイレットペーパーをピッチに投げ入れるなどして抗議を始めたため、選手は再び控室へ引き下がる事態となった。

 一方、同時刻に行われていた一戦でPSGは前半28分にロリアン(FC Lorient)のケヴィン・モネ・パケ(Kevin Monnet-Paquet)に先制を許したものの、後半16分にハビエル・パストレ(Javier Pastore)、同30分にティアゴ・モッタ(Thiago Motta)が得点を挙げて逆転勝利した。

 モンペリエとオセールの後半戦はPSGの試合より19分遅れて再開。PSGの結果により負けが許されなくなったモンペリエは、オセールのデルビン・ヌディンガ(Delvin N'Dinga)が放った強烈なシュートをゴールキーパー(GK)のジェオフレ・ジュルドラン(Geoffrey Jourdren)が阻むなど必死に抑えた。ところが後半29分に再び激情したオセールサポーターが発炎筒を投げ込む暴動を起こし、試合は2度目の中断を余儀なくされた。

 PSGの選手もテレビで見守るなか、暴動を沈静化させるため警察が出動し約20分ほどで試合は再開した。すると再開直後の後半30分、ウタカがこの試合2点目となるゴールを決めて優勝を決定付けた。

 リーグ最多得点数ではモンペリエのオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)とパリ・サンジェルマンのネネ(Nene)がともに21得点を記録したものの、ペナルティーキック(PK)による得点数の少ないジルーが得点王に輝いた。

■アザールが有終の美

 3位リール(Lille OSC)はエデン・アザール(Eden Hazard)がハットトリックを達成して4-1でナンシー(AS Nancy)を下した。この試合をもって退団が決定しているアザールは最高の形でチームに別れを告げた。

 オリンピック・リヨン(Olympique Lyon)は3-4でニース(OGC Nice)に敗れたものの4位を守り、オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)は0-1でソショー(FC Sochaux)に敗戦を喫し10位でシーズンを終えている。

 5位ボルドー(FC Girondins de Bordeaux)は3-2でサンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)に勝利し、ヨーロッパリーグ2012-13(UEFA Europa League 2012-13)の出場権を獲得した。

■最終節までもつれこんだ残留争い

 レンヌ(Stade Rennes FC)は5-0でディジョン(Dijon FCO)に圧勝して6位に浮上したものの、ヨーロッパリーグ獲得権には一歩及ばず、惨敗したディジョンのリーグ2への降格が決定した。

 また1-3でバランシエンヌ(Valenciennes FC)に敗れたカーン(SM Caen)も降格となった。
 
 ディジョンとカーンが敗れたため、ロリアンは降格圏内と勝ち点差1の17位で残留を決めた。またアジャクシオ(Ajaccio AC)は2-0でトゥールーズ(Toulouse FC)に、スタッド・ブレスト(Stade Brestois 29)は1-0でエヴィアン・トノン・ガイヤールFC(Evian Thonon Gaillard FC)に勝利し、降格を免れている。(c)AFP/Tom Williams