【5月1日 AFP】サッカー、フランスリーグ杯2007-08(French League Cup 2007-08)・決勝でファンが掲げて物議を醸しだした横断幕の為、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)の2008-09シーズンの同大会への参加禁止処分が、フランス・プロサッカーリーグ連盟(French Professional League:LFP
から下された。

 しかしながら、懲罰委員会のJacques Riolacci氏は「懲罰委員会は、多くの人々にショックを与えた、非常に人種差別的だという問題の横断幕を発見できなかった」と話し、人種差別を暗示するものが立証されていないため、パリ・サンジェルマンがリーグ戦の勝ち点を剥奪されることは無いだろうとしており、現在フランス・リーグ1で勝ち点38の18位(4月30日付)と低迷しリーグ2降格の危機に瀕しているパリ・サンジェルマンにとって、勝ち点剥奪となれば非常に大きな痛手となっていた。

 3月29日にサン・ドニのスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われたフランスリーグ杯2007-08決勝で、パリ・サンジェルマンの対戦相手となったランス(RC Lens)のあるフランス北部の住民を狙った約25メートルほどの横断幕が試合後半に広げられ、その横断幕には「小児性愛、失業者、近親結婚者たちのふるさとシュティ(フランス北部に住む人々の愛称)へようこそ」と記されていた。このフランス北部の人々に対する「憎悪と冒涜を煽る」原因となった者に対しての捜査はすでに始まっている。

この反感を買う横断幕は、ここ最近のフランス国内興行成績でヒットを記録した映画で、失業者で自暴自棄、アルコール中毒で暴力的というシュティの人々の一般的なイメージからかけ離れた姿を楽天的に描いた「シュティの国へようこそ(Bienvenue chez les Ch'tis)」をいたずらに利用したもので、同大会の決勝を観戦していたニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領の命令によってすぐさま撤去されたものの、それによる損害はすでに生じてしまっていた。(c)AFP