バイエルンが通算5度目の欧州CL優勝
このニュースをシェア
【5月26日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2012-13(UEFA Champions League 2012-13)は25日、ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で決勝が行われ、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が2-1でボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)を下し、通算5度目の欧州制覇を果たした。
バイエルンは後半44分にアリエン・ロッベン(Arjen Robben)が決勝点を奪い、ライバルのドルトムントから劇的勝利を収めた。
後半ロスタイムに入る直前にロッベンは、フランク・リベリ(Franck Ribery)のヒールパスに反応すると、ドルトムントのマッツ・フンメルス(Mats Hummels)をかわし、最後はGKロマン・ヴァイデンフェラー(Roman Weidenfeller)の牙城を打ち破った。
バイエルンは後半15分にマリオ・マンジュキッチ(Mario Mandzukic)のゴールで先制したが、ドルトムントは同23分にイルカイ・ギュンドアン(Ilkay Gundogan)のPKで同点に追いついた。そして最後はロッベンが史上初となったドイツ勢対決の一戦に決着をつけた。
後任にジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏の就任が決まっているバイエルンのユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)監督は、97-98シーズンにレアル・マドリード(Real Madrid)を率いて同大会を制しており、今回の優勝により2つの異なるチームでタイトルを獲得した史上4人目の指揮官となった。
すでに12-13シーズンのドイツ・ブンデスリーガ1部で優勝を飾っているバイエルンは、翌週にVfBシュツットガルト(VfB Stuttgart)とのドイツカップ(German Cup 2012-13)決勝を控えており、勝利すれば3冠を達成することになる。
09-10シーズン(UEFA Champions League 2009-10)、そして本拠地で行われたチェルシー(Chelsea)戦とのPK戦にもつれ込んだ11-12シーズン(UEFA Champions League 2011-12)、それぞれ決勝で敗れていたロッベンとバイエルンにとっては、長らく待たれていた瞬間が訪れた。
96-97シーズン以来となる2度目のタイトル獲得を逃したユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督率いるドルトムントは、英国サッカーの聖地に集まった8万6298人の観衆の前で手に汗握るドラマの一端を担った。
ドルトムントの勝ち上がりを支えたマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)だったが、違約金3700万ユーロ(約48億円)でのバイエルンへの移籍を前にした最後の出場は負傷のためかなわず、スタンドからの観戦となった。
そのゲッツェが加わるバイエルンは、リーグ戦で史上最多の勝ち点25差をつけて優勝を飾ったが、この日はドルトムントの攻勢を受けた。
ロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)、ヤクブ・ブワシチコフスキ(Jakub Blaszczykowski)、マルコ・ロイス(Marco Reus)、スベン・ベンダー(Sven Bender)のシュートをGKマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)が立て続けにセーブすると、バイエルンはマンジュキッチのシュートでようやくドルトムントのGKヴァイデンフェラーを脅かした。
そこから手にしたCKからハビ・マルティネス(Javi Martinez)が放ったシュートは枠を外れたが、前半の大きなチャンスはロッベンに2度訪れた。
前半30分にトーマス・ミュラー(Thomas Muller)のパスに抜け出したロッベンだったが、左利きの選手にとっては角度が厳しく、素早く前に出たヴァイデンフェラーが倒れ込みながらセーブした。
さらにロッベンはハーフタイム直前、フンメルスとの競り合いからこぼれたボールを拾いGKと一対一の状況を迎えたが、ヴァイデンフェラーは勇敢に立ち、シュートを顔面で防いだ。
その間にドルトムントは、カウンターからロイスのパスを受けたレワンドフスキがジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)をかわしシュートを放ったが、ノイアーが見事なセーブを見せた。
あたかも、再び大事な決勝がすり抜けていくかと思われたロッベンだったが、後半15分に前半のミスを帳消しにする形で先制点のお膳立てをした。
リベリがドルトムント守備陣のラインの裏にパスを出し、オフサイドトラップをぎりぎりでくぐり抜けたロッベンがヴァイデンフェラーをおびき寄せながらクロスを上げると、これをマンジュキッチが至近距離から押し込んだ。
前半の奮闘もあり、意気消沈したかと思われたドルトムントだったが、すぐさま同点に追いついた。
ペナルティーエリア内でボンフィム・ダンテ(Dante Bonfim Costa Santos)がロイスに対し足を高く上げてファウルを取られると、これで得たPKをギュンドアンがゴール右下に蹴り込み、ノイアーの真裏に陣取ったドルトムントのサポーター集団が沸き返った。
その後、ミュラーのシュートを押し込もうとしたロッベンと競り合いながら、ネヴェン・スボティッチ(Neven Subotic)がゴールライン上のボールを息を呑むようなスライディングでクリアした。
さらに攻勢に出たバイエルンはデヴィッド・アラバ(David Alaba)とバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)が相手ゴールに迫ると、最後はロッベンがつま先でドルトムントの守備陣をかいくぐり、決勝点を挙げた。(c)AFP/Tom WILLIAMS