【5月2日 AFP】欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)準決勝でFCバルセロナ(FC Barcelona)を破り、2年連続で決勝進出を決めたバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のユップ・ハインケス(Jupp Heynckes)監督が1日に行われた第2戦後、会見に応じた。

 バイエルンは1日に敵地で行われた準決勝第2戦で、アリエン・ロッベン(Arjen Robben)とトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)の得点、そして相手チームのジェラール・ピケ(Gerard Pique)のオウンゴールにより3-0でバルセロナに勝利し、2戦合計7-0で決勝進出をものにした。

 バイエルンは昨シーズンでも決勝に進んでいるが、そのチェルシー(Chelsea)との頂上対決ではPK戦の末、痛恨の敗戦を喫した。

「私は選手としても監督としても、サッカーではすべてを経験してきた人間だ。それでも昨年の決勝では本当に落胆した」とハインケス監督は話す。

 しかし監督は、バイエルンが昨シーズンに準優勝に泣いた教訓を25日に英ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われるボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)との決勝に生かすことができると信じているという。

「(チェルシーとの)決勝で敗れたその次の日から、我々はチーム構成を考えたり、選手と話をしたりして、今シーズンに向けての準備を始めた。勝利よりも敗北からの方が学べることは多いと思う。我々は昨年の経験を生かして、今回の決勝に挑むことができる」

「バイエルンは試合でもピッチの外でも結束力が強いチームだ。今年はリーグ優勝も果たし、そしてチャンピオンズリーグ決勝進出を決めた。昨年の決勝での不運があったおかげで、今年は論理的な目標を立てて、優勝に狙いを定めている」

 準決勝でのバイエルンの勝利は、バルセロナのリオネル・メッシ(Lionel Messi)の不在に助けられたところもある。メッシはここ1か月間、太もものけがに悩まされており、第2戦はベンチで過ごした。ハインケス監督は、メッシの存在がバルセロナに大きな影響を及ぼすことを認識する。

「メッシがバルサの主要選手であることは言うまでもない。その上バルサは他の選手も問題を抱えていた。私にとって、バルサはピッチ内外問わず素晴らしいチームで、彼らは準決勝の2戦でもそれを見せてくれた。バルサの選手の姿勢は手本にすべき」

 ブンデスリーガ優勝に加え、バイエルンをチャンピオンズリーグとドイツカップ2012-13(German Cup 2012-13)の決勝にまで導いているハインケス監督。今季3冠達成も夢ではないにも係わらず、シーズン終了とともに指揮官を退任し、元FCバルセロナ監督のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)氏が後任を引き継ぐという、特異な状況にある。

 そんな中、ハインケス監督はレアル・マドリード(Real Madrid)への復帰の噂については否定した。ハインケス監督は1997-98シーズンにレアルをチャンピオンズリーグの栄光に導いた直後に解任されたものの、今季いっぱいで現監督のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)氏が辞任した場合の後任候補として取り沙汰されていた。

「5月9日に私は68歳になる。そのうちの50年間を、私は選手か監督としてサッカーに捧げてきた。だから、もう十分と思う時がいつかはやってくる。バイエルンは今年、世界トップレベルのチームとなった。だからこそ私がシーズン後に何をするのだろうかという憶測が飛び交っているが、(レアル復帰については)ただの憶測以外の何物でもない」
 
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