【3月14日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2012-13)でACミラン(AC Milan)を破り、6季連続となるベスト8進出を果たしたFCバルセロナ(FC Barcelona)のリオネル・メッシ(Lionel Messi)が、本来の調子を取り戻したチームを称賛した。

 第1戦を0-2で敗れていたバルセロナは、メッシが2得点を挙げる素晴らしい活躍を見せ、前半だけで合計スコアをタイに戻すと、後半にはダビド・ビジャ(David Villa)とジョルディ・アルバ(Jordi Alba)が追加点を記録し、地元カタルーニャ(Catalonia)のファンに最高の一夜をプレゼントした。

 欧州サッカー連盟(Union of European Football AssociationsUEFA)の公式ウェブサイトのインタビューに応じたメッシは、試合開始5分で先制点を奪えたことが大きかったとコメントしている。

「前半5分に重要な先制点を奪った後はあらゆる手段を使いミランを攻め立てた。早い時間帯に得点を挙げて点差を縮めることで、ファンも勢いに乗せたかった」

「ものすごい速さでボールが回ってきたけれど、上手くゴールを決めることができた。だから僕らは喜びを爆発させたんだ」

 このところ低調なパフォーマンスが続いていたことで、バルセロナの復調は注目を集めることとなった。  バルセロナは第1戦が行われた敵地サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)での敗戦後、宿敵レアル・マドリード(Real Madrid)と5日間で2試合を戦い、連敗を喫していた。

 しかしメッシは、チームが重要な局面で最高の状態を取り戻せることを信じて疑わなかったと述べている。

「このパフォーマンスこそ、僕たちが何年も見せてきたものだ。確かに最近は少し調子を落としていたけれど、本来の姿を取り戻せば突破できると理解していたし、そのためにはこういう試合が必要だった。突破するためだけではなく、敗戦の記憶を消すためにもね」

「すべてが完璧だった。ファンもチームがどうやって立ち直ろうとしていたか分かっていたと思う。僕ら選手も大事なのは自分たちのプレーを取り戻すことだと分かっていた。この試合こそ、選手とファンが求めているバルサだ」

■値千金のゴールを決めたビジャ、「美しい、魔法の瞬間だった」  

 2011年のクラブW杯で左すねを骨折して以降、苦しい時期を過ごしてきたビジャにとってこの試合は特別なものとなった。

 シーズン開幕直後はプレーできる状態に戻っていたものの、先発の座を確保することができず、1月にはバルセロナ退団の噂もささやかれていたビジャは、UEFAの公式ウェブサイトで「美しい、魔法の瞬間だった」とコメントした。

「ここ数週間は難しい状況に陥っていたけれど、すべてのクラブ関係者が求めていた結果を残すことができた。手強い相手を破って勝ち残ることができたのだから本当に大きい」

 実際に、第1戦の敗戦で勝ち残りは困難と見られていたバルセロナだったが、状況を90分間で逆転させたことで、再び優勝候補の本命に挙げられるようになった。

 今大会の決勝は、バルセロナが2シーズン前に戴冠した時と同じ英ロンドン(London)のウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われるが、ビジャは決勝に目を向けるのは時期尚早だとの見解を示している。

「ウェンブリー?もちろん行ければ最高だけど、今は足下を固める時期だと思う。チャンピオンズリーグで勝つのは簡単じゃない。こういう試合は何年かに一度あるくらいだ。今は15日の組み合わせ抽選の結果を待てるだけで嬉しいよ」

(c)AFP