【2月20日 AFP】欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2013)決勝トーナメント1回戦でACミラン(AC Milan)と対戦するFCバルセロナ(FC Barcelona)のジョルディ・ロウラ(Jordi Roura)暫定監督は、自身が20年以上前にサン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium)で経験した記憶よりも良い思い出を作りたいと願っている。

 チャンピオンズリーグ通算7度の優勝を誇るミランだが、今回の一戦では近年素晴らしいパフォーマンスを披露しているスペインの強豪バルセロナが優勢と見られている。

 欧州王者に4度輝いているFCバルセロナが最後にミランに敗れたのは00-01シーズン大会のグループリーグで、本拠地カンプ・ノウ・スタジアム(Camp Nou stadium)でバルセロナは0-2で敗れている。

 また、バルセロナとミランがノックアウトステージで顔を合わせたのは過去に2回あり、05-06シーズン大会の準決勝と11-12シーズン大会の準々決勝では、いずれもミランが敗退に終わっている。

 バルセロナは現在スペイン1部リーグで2位のアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)に勝ち点12差をつけて首位を独走しており、16日の試合ではリオネル・メッシ(Lionel Messi)がクラブ通算301得点を記録している。

 一方、2012年夏にチーム再建のため主力選手を放出したミランは、イタリア・セリエAで現在3位につけているものの、首位ユベントス(Juventus)とは勝ち点14差となっている。

 がん摘出手術を受けて現在療養中のティト・ビラノバ(Tito Vilanova)監督に代わり、暫定監督としてチームを率いているロウラ氏は、マッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督が率いるミランに勝機がないという見方を否定した。

 記者会見でバルセロナが優勢だと思っていないと主張したロウラ暫定監督は、「ミランはいつも競争力の高いチームで、対戦するといつも苦戦を強いられた。勝敗を論じることは無意味なことだ。第1戦で大差がつかない限り、最終結果は第2戦で決まる」と語った。

■24年前のミラン戦で負傷し、現役引退を余儀なくされたロウラ暫定監督

 しかしながらロウラ暫定監督は、24年前に行われたバルセロナとミランの一戦よりも良い形でこの試合を記憶にとどめておきたいと考えている。

 当時バルセロナの選手だったロウラは、ミランと対戦した1989年のUEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup)で大怪我を負い、その故障の影響で4年後には現役を引退した。

 ロウラ氏は「私にとってあの瞬間は忘れられない。あの試合がきっかけで、私は22歳での現役引退を余儀なくされた」と語った。

「あれから24年が経ち、私はバルセロナに復帰し、サン・シーロにも戻ってくることができた。ここは偉大なファンがいる素晴らしいスタジアムだ。サッカーに関わる一人として、このような場所にいられて嬉しい」

「バルセロナのファンはミランを破り、準々決勝に勝ち進んで欲しいと願っている。もしそれが実現したとしても、それは私たちがミランをみくびったからではない」

(c)AFP/Justin DAVIS