【2月13日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2012-13(UEFA Champions League 2012-13)は12日、決勝トーナメント1回戦第1戦が行われ、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)は2-1でバレンシア(Valencia CF)に先勝した。  第2戦に向けて有利な立場に立ったPSGだが、試合は終了間際に大きく動き、バレンシアにも準々決勝進出の可能性が残された。

 敵地メスタージャ・スタジアム(Mestalla stadium)に乗り込んだフランス・リーグ1首位のPSGは、前半にエセキエル・ラベッシ(Ezequiel Lavezzi)とハビエル・パストレ(Javier Pastore)が得点を決めてリードを奪い、そのまま悠々と試合をコントロールして後半45分まで時計を進めた。

 しかしバレンシアはそこからアディル・ラミ(Adil Rami)の得点で1点を返して望みをつなぐと、後半ロスタイムにはPSGのズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)がバレンシアのアンドレス・グアルダード(Andres Guardado)を踏みつけ、一発退場を宣告された。

 これまでチャンピオンズリーグの決勝トーナメントでは最高のパフォーマンスを見せることができず、批判を受けていたイブラヒモビッチだが、これで3月6日に本拠地パルク・デ・プランス(Parc des Princes Stadium)で行われる第2戦は出場できなくなった。

 欧州カップ戦でのアウェー戦らしい戦い方を選択したPSGは、ボール支配率をバレンシアに譲り、カウンターでゴールを脅かし続けて勝利を手にした。

 これまでの歴史でいえば、試合はPSGにとって厳しい試練になるとみられた。PSGがチャンピオンズリーグの決勝トーナメントへ進んだのは1994-95シーズン以来のことで、一方のバレンシアはその間にチャンピオンズリーグの決勝に2度進出し、さらに本拠地のメスタージャ・スタジアムではフランスのチームに1度も負けていなかった。

 しかしながら今回のPSGは、カタール人オーナーからの巨額の資金援助を受けて欧州でも有数の選手層を整え、公式戦ここ12試合で無敗と、自信をつけて敵地へ乗り込んだ。

 対するバレンシアも、2012年12月に就任したエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督がチームを大きく改善させ、直前のホームでの試合ではFCバルセロナ(FC Barcelona)と1-1で引き分けていた。

 PSGは前半10分、このところ飛び抜けたプレーを続けているラベッシがパストーレとのワンツーで抜け出して先制点を挙げた。

 先制点の後、ボール支配率ではバレンシアに圧倒されたPSGだったが、アリ・シッソコ(Aly Cissokho)とジェレミ・マテュー(Jeremy Mathieu)が負傷で戦列を離れているため攻撃的なアンドレス・グアルダード(Andres Guardado)を起用せざるを得なかったバレンシアの左サイドを突き、ゴールに迫り続けた。

 そして同43分、グアルダードを抜き去ったルーカス・モウラ(Lucas Rodrigues Moura da Silva)が中央へ折り返すと、パストーレがGKビセンテ・ガイタ(Vicente Guaita)には防ぎようのないシュートを決めてPSGが追加点を挙げた。

 それでもバレンシアは試合終了間際、プレースキックに定評のあるティノ(Alberto "Tino" Costa)のFKにラミがフリーで合わせて1点を返すと、直後にはPSGのイブラヒモビッチが退場を命じられ、最後の最後で第2戦に希望を残した。

 PSGを率いるカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督はイブラヒモビッチの退場について、仏テレビ局カナルプリュス(Canal Plus)に対し、「レッドカードを受けるような行為ではなかった。理解できない判定だ」とコメントし、判定に疑問を呈した。

 その一方で結果については「もう何点か入れるチャンスがあった。うちはいいプレーをしたが、初戦が終わったにすぎない。まだ第2戦が残っている」とコメントしている。(c)AFP