【12月5日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ2012-13(UEFA Champions League 2012-13)のグループリーグ最終戦を控えるチェルシー(Chelsea)のラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)暫定監督が4日、記者会見に臨んだ。

 ベニテス暫定監督は、ノアシェラン(FC Nordsjaelland)戦で前シーズン覇者がグループリーグで敗退するという初の事態を避け、決勝トーナメントへ進出するために「奇跡」は必要ないとコメントした。

 チェルシーは5日、本拠地にチャンピオンズリーグ初挑戦のノアシェランを迎えるが、この最終節に勝利しても16強進出には届かない可能性がある。

 チェルシーがグループを突破するためには、ノアシェランに勝利した上で、グループEのもう1試合でユベントス(Juventus)がシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)に敗れることが条件となる。しかし同グループではシャフタールがすでに突破を決め、ユベントスも引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる状況となっている。

 ベニテス暫定監督はイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)を率いた2004-05シーズン、トルコのイスタンブール(Istanbul)で行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2004-05)決勝のACミラン(AC Milan)戦で0-3から追いつき、PK戦の末に優勝を飾るという逆転劇を演じたことで名高いが、現在のチェルシーはその時のような劇的な要素に頼る必要はないと確信している。

 ロベルト・ディ・マッテオ(Roberto Di Matteo)前監督が解任されたチェルシーを暫定指揮官として率いるベニテス監督は、「奇跡はない。我々の仕事をして、後はあちらの結果を待つ他ない」と語った。

 ディ・マッテオ前監督が11月20日に行われた敵地でのグループリーグ第5節ユベントス戦に0-3で敗れた直後に解任され、後任に就いたニテス暫定監督だが、就任後の3試合で2分け1敗にとどまり、チームはプレミアリーグで7戦勝ちなしが続いている。

 これは1995年以降では最悪となる記録だが、ベニテス暫定監督は、頻繁に監督交代の引き金を引くことで悪名高いロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)オーナーからの「重圧は感じていない」という。

 チェルシーが1日のプレミアリーグ15節ウェストハム(West Ham)戦に1-3で敗れたことをきっかけに、メディアは2007-08シーズンにチームを率いたアブラム・グラント(Avram Grant)氏がアドバイザーとしてチームに復帰する予定と報じた。

 しかしチェルシーはこの報道すぐさま否定。またベニテス暫定監督は、「グラントが素晴らしい人間で、かつ優秀な指揮官なのは知っている。しかし、私の知る限り彼はここへは来ない」と述べた。

 フランク・ランパード(Frank Lampard)とジョン・テリー(John Terry)に加え、ダニエル・スターリッジ(Daniel Sturridge)を負傷で欠くベニテス暫定監督は、今回もフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)にチームの前線を任せることとなる。(c)AFP