【5月23日 AFP】サッカー、欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)・決勝のACミラン(AC Milan)戦を23日(現地時間)に控えるリバプール(Liverpool)のラファエル・ベニテス(Rafael Benitez)監督が22日、決戦の地アテネ・オリンピックスタジアム(Athens Olympic Stadium)で記者会見を行った。
 
 2004-05シーズン大会の決勝で前半に3点を奪われながらも後半に追いつき、PK戦で勝利を収めクラブ通算5度目のビッグイヤーを獲得したミランとの再戦について「同じように劇的な結末が待っているのであれば医者の助けが必要になるかもしれない」と冗談を交えて語ったベニテス監督は、「2年前の決勝で起きた事は素晴らしい出来事で、私の中では大会史上最高の決勝戦だが、今回は同じような劇的な展開は期待できないだろう。もし『再びあのような試合をしたいか?』と問われたら間違いなく『イエス』と答えるが、今回の決勝では多くの得点は入らないだろう」と語り、ロースコアでの試合展開を予想した。

■カカ封じに自信を覗かせるベニテス監督

 また、ベニテス監督はミランのキーマンであるカカ(Kaka)について「カカが素晴らしい選手だというのは理解しているが、我々のシステムはゾーンディフェンスを基本としており、決勝でもそのやり方は変えない。同じ手法でカカを封じるだけでなく、ボールやスペースをコントロールできると確信している」と語り、準決勝で同じイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)がゾーンを敷いてカカに2試合で3得点を許して敗退していることについては「リバプールはマンチェスター・ユナイテッドより相手の良さを消す戦い方を熟知しており、このシステムでカカに対処することができる」とカカ封じに自信を覗かせた。

■怪我から復帰したゼンデンとキューウェル

 先週の練習中に足首を負傷し松葉杖をついていたボウデビン・ゼンデン(Boudewijn Zenden)は、22日午後にアテネ・オリンピックスタジアムで行われた前日練習でカメラマンの前で軽快なジョキングを見せるなど順調な回復を見せており、ベニテス監督はゼンデンの中盤左サイドでの先発起用を示唆しているが、同じ左サイドではハリー・キューウェル(Harry Kewell)が故障から復帰後順調にコンディションを上げており、ベニテス監督は「キューウェルは懸命に復帰に向けた努力をしてきており、13日のプレミアリーグ最終第38節のチャールトン(Charlton)戦では非常に良いプレーをしていた。彼は攻撃の一つのオプションになるだろう」と話している。

■リーセ「2年前よりも強くなっている」

 2年前のイスタンブールでの決勝を戦った9人の選手の中の一人であり、会見に同席したヨン・アルネ・リーセ(John Arne Riise)は「我々は2年前よりも強くなっている。なぜなら当時のチームは誰一人チャンピオンズリーグの決勝の経験が無く戦い方を知らなかったが、我々は既にこの舞台を経験し、自信を持って試合に臨める。ミランは2年前のリベンジを狙ってくるだろうが、我々はそんな事は考えていない。自分たちのサッカーをして勝つだけだ」と語り、ビッグイヤー獲得の自信を口にしている。(c)AFP/ANGUS MACKINNON