【パリ/フランス 20日 AFP】サッカー、欧州チャンピオンズリーグ（Champions League）・決勝トーナメント1回戦の4試合が20日に行われ、全8チーム中過去に優勝経験のある6チームが登場する。

■リールvsマンチェスター・ユナイテッド

　クラブ史上初めて決勝トーナメント進出したリール（Lille）と対戦するマンチェスター・ユナイテッド（Manchester United）のアレックス・ファーガソン（Alex Ferguson）監督は、レディング（Reading）とのFAカップ（FA Cup）5回戦が18日に行われたことについて「リールは試合日程を考慮して17日に前倒ししてリーグ戦を行っている。多くの人は我々が欧州の舞台で活躍することを望んでいるようだが、そのための配慮がされているとは言い難い。」と語り、テレビ中継の関係で中一日での試合が強要されたことに不満を訴えているが、リールはリーグ戦ここ9試合で僅か2勝と不振に喘いでおり、ウェイン・ルーニー（Wayne Rooney）やライアン・ギグス（Ryan Giggs）ら主力数名はレディング戦を欠場していることからマンチェスター・ユナイテッドの優勢は揺るがないものと見られる。

■セルティックvsミラン

　既に前所属のレアル・マドリード（Real Madrid）で同大会に出場していることから出場資格の無いロナウド（Ronaldo）を欠くACミラン（AC Milan）は、その代役と目されていたフィリッポ・インザーギ（Filippo Inzaghi）が太腿の故障が癒えず欠場が確定し、アルベルト・ジラルディーノ（Alberto Gilardino）も膝に負傷を抱えており、FWがリカルド・オリベイラ（Ricardo Oliveira）ただ一人ということから、カルロ・アンチェロッティ（Carlo Ancelotti）監督は、不測の事態に備えて下部組織出身の18歳ダビデ・ディ・ジェンナーロ（Davide Di Gennaro）を急遽帯同メンバーに加えるなど前線は深刻な人員不足に陥っており、同大会に大会名称が変わって以来初の決勝トーナメント進出となるセルティックにも勝機が訪れるかもしれない。

■レアル・マドリードvsバイエルン

　歴代最多の9度の優勝を誇るレアル・マドリードは、ファビオ・カペッロ（Fabio Capello）監督の方針の変化により出場機会を得たデビッド・ベッカム（David Beckham）が17日に行われたベティス（Betis）戦で報復行為を働き退場処分を受けるなど不安定なシーズンを送っている。また、歴代4位タイとなる4度の優勝を誇るバイエルン・ミュンヘン（Bayern Munich）は、監督の交代などもありウインターブレーク明けの5試合で僅か1勝しか挙げられずリーグ4位に低迷するなど不振に陥っている。両チーム共にリーグ戦に於いて近年では過去最低の得点数（レアル・マドリードは23試合で30得点、バイエルンは22試合で33得点）と深刻な得点力不足に陥っていることから、過去8シーズンで5度対戦しお互いのことを熟知している名門同士の対戦はロースコアの試合展開が予想されている。

■PSVvsアーセナル

　05-06シーズン大会では決勝でバルセロナ（Barcelona）に逆転負けを喫し、クラブ史上初の同タイトル制覇を目前で逃したアーセナル（Arsenal）のアーセン・ベンゲル（Arsene Wenger）監督は「バルセロナ戦では残り10数分で逆転負けを喫しショックを今でも引きずっていることは事実だが、我々はそれをポジティブな力に変えて再度決勝の舞台に立ち、今度こそビッグイヤー掲げなければならない。」と今大会への並々ならぬ決意を語っており、優勢が伝えられるPSVアイントホーフェン（PSV Eindhoven）戦でも気を緩める気配は無さそうだ。

　写真は、アーセナルとの決勝を制し優勝を喜ぶバルセロナの選手たち（2006年5月17日）。(c)AFP/LLUIS GENE